Always with you.





・雪燐+塾生
・新年明けましておめでとうございます!
・年賀状のおまけ奥村
・会話文のみです




「謹賀新年」

「明けまして!」

「「おめでとうございます!」」

「…って、これを俺達以外誰もいない部屋でやっても虚しくね?」

「そんなことないよ。親しき仲にも礼儀あり、って言葉知ってるでしょ?」

「オイ!聞いておいて不安そうな顔すんのヤメロ!そんぐらい俺だって知ってるわ!」

「へぇ…じゃあ意味を言ってみてよ」

「あれだろ、えっとたしか…仲のいい奴にも礼儀を忘れちゃいけねー、とかなんか…そんな感じ…?」

「す、凄い!あってる…!新年早々槍が降りそうな予感…!」

「ふふん!どうだ!俺だってやればできるんだぞ!」

「なら今年はマルがいっぱいついた兄さんのテストが見れるのかな」

「うぐ…ッ!そ、そうだ!俺ちゃんとおせちとお雑煮も作ったんだぜ!」

(話を逸らしたな…)

「じゃーん!どうだ!」

「わぁ…!さすが兄さん、お店で売ってるものみたいだ…!」

「おうおう!もっと褒めてもいーんだぜ!雪男は餅いくつ食う?」

「え?お餅入れてないの?」

「早く入れちまうとどろどろになるんだよ。それに軽く焼いてから入れた方が美味ェしな!」

「どうしてこれが勉強に向かないのかな…」

「あ?何か言ったか?」

「何も。じゃあ僕は2つ貰おうかな」

「ん、分かった。メフィストに沢山餅を貰ったから今日からしばらくは餅尽くしだぞ」

「え゛っ…沢山って、どんだけ貰ったの…?」

「段ボール一箱分。買いすぎちまって余ったからやる、だってさー。そんなん買う金があるなら生活費をもっと増やせっつーんだよあの野郎…!」

「まあまあ。どうせ二人ではそんなに食べきれないんだから後で塾の皆にお裾分けしに行こうよ」

「おっ!じゃあどうせなら皆を呼んで餅パーティーやろうぜ!それぞれあんことかきなことか持ち寄ってさ。…ほい、お前の分」

「ありがとう。うん、いいよ。あ、でも勝呂君達は京都に帰省してるのかな…神木さんもどうなのか聞いてないし…宝君なんて休みに入った途端に消息が分からないよ」

「んなの電話すれば分かんだろ」

「って、もう電話しちゃってる…!食事中に行儀悪いよ兄さん」

「……あっ、志摩か?」

「聞いてないし………あ、このお雑煮美味しい…」

「お前らって今京都にいるのか?…えっ、マジで!?うん、うん……おう、分かった!んじゃまた後でなー」

「志摩君なんて?」

「ちょうど今こっちに向かってる途中らしい」

「えぇっ!?」

「しかももうすぐ着くってさ」

「どうしてまた…」

「いったん京都には帰ったんだけど急に勝呂が学校に帰るって家を飛び出しちまったらしい」

「うわぁ……良いご両親なんだから勝呂君も素直になればいいのにね」

「…だな。よし、そうと決まればあとはしえみと出雲だな!二人への連絡は雪男に任せた」

「何で僕が…」

「俺はその間に料理の準備をしないとだろ?…お前にこっちを任せると後が怖ェからな」

「う゛っ……わかったよ、電話すればいいんだろ!すれば!」

「聞き分けのいい弟で兄ちゃんは嬉しーぞ」

「せめてこっちに顔を向けて言えよ。……あ、僕神木さんの電話番号知らないんだった」

「まじかよ!?お前なら知ってるかと思ってたのに」

「しえみさんは鍵があるから直接祓魔屋に行ってお誘いすればいいんだけど…」

「そうだなー……って、おい雪男!ちょっとあれ見てみろって!」

「なんなの急に慌てて…ていうかいい加減兄さんも早く食べないとお雑煮冷めちゃうよ」

「いいから!!…なぁ、あれ……出雲じゃね?」

「ハァ?そんなわけ………ほんとだ、神木さんだ」

「めっちゃ眉間のしわが深くなってね…?」

「そんなとこまでよく見えるね……」

「奥村くーん!若せんせー!」

「ゲッ!!志摩達もう来たぞ…!!」

「早ッ!?…とにかく、兄さんは早く皆を中に入れてあげて!僕はしえみさんを迎えに行ってくるから!」

「ぬおお!!分かった!!行ってくる!!!」






「いやぁ、ホンマ坊が家を飛び出しはった時はどうなるかと思いましたわ」

「う゛ッ、ううううっさいわボケ!!」

「新年早々お邪魔してすいません。これ、つまらないものですがお土産です」

「わ、ありがとうございます。気にせずくつろいでいってくださいね」

「おせちもお雑煮もいっぱいあるから食べてけよー!」

「燐の料理すっごく美味しいから嬉しいなあ。ありがとう!」

「ていうか、何でアンタ達までいるのよ…っ!」

「そういうお前こそ何か用でもあったのか?何もねぇってことはねーだろ」

「あっ、あたしはただ帰省した朴の代わりにこれを届けに来ただけよっ!!」

「これは……お餅、ですか?」

「実家から送られてきたから皆にって言われて…どうぞ」

「どうする兄さん…減らすつもりが逆に増えちゃったよ…っ!?(ボソボソ)」

「んなの知らねーよッ!とにかく何か作ってでも減らさねーと腐っちまうしな…(ボソボソ)」

「そうだ!私もお母さんから皆にって…うちで作った餡子なんだけど、よかったらお餅と一緒にどうぞっ!」

「うおおおおしえみナイス!!」

「良ければ僕らのお土産も使ってやってください」

「俺らのとこでは有名な抹茶なんです。牛乳で溶かしたら飲みやすいと思うんで」

「杜山さんの餡子と出雲ちゃんのお餅を食べながらお抹茶が飲めるなんて幸せやぁ…!」

「俺の料理もあるって言ってんだろーがッ!もう志摩は食わなくていーからな」

「えぇっ!?奥村君それは酷いわああッ!!」






「一気に賑やかになったね」

「そーだな。…まぁでも、こうして見りゃ修道院にいた頃と何もかわってねーよな」

「うん。お酒が飲めるからって神父さんも皆も凄く楽しそうだったよね」

「そうそう!俺が作った料理が争奪戦になったりな!」

「兄さんが作るおせちもお雑煮も美味しいから皆食べ過ぎちゃって」

「あんだけ食べて何で正月太りになんねーのかって気になってたけど、祓魔師なんてやってたんじゃ太る暇もねーよな」

「…兄さん……」

「ちょっ、んな暗ぇ顔すんなって!!もう気にしてねーから、な!?」

「…うん。ねぇ、兄さん」

「なんだよ」

「明けましておめでとう。今年も何て言わず、これから先もずっとずっとよろしくお願いします。……ちゅっ」

「ッ!!?お、おいッ!!誰かに見られたらどーすんだよ…ッ!!」

「ほっぺで我慢したんだからむしろ褒めてほしいな」

「くっそぉ…ッ!!」

「兄さんからはしてくれないの?」

「…………あ、後でな」

「クス…楽しみにしてるね」

「……おー、任せろ」




あけましておめでとうございます!






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