Warning




・雪燐
・ドM(っぽい)雪男×ドS(っぽい)燐
・雪男が喘いだりするので苦手な方は回れ右
・18禁ですので18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください
・正直意味が分からないです




冷たいコンクリートのざらりとした感触と温度が素足を伝い、雪男は肩とまつ毛ををぶるりと震わせた。うっすらと目を開ければ自分がメガネをかけたままだということに気付く。おかしいな、寝る時は必ずメガネを外すはずなのに。


「…ん……つめ、たい…?」

「おっ、やっと気づいたか」


声がする方へ首を動かせば洗面台に誰かが座ってる影が見える。兄さんだ。明るすぎる月明かりで逆光になっているが普通の人間にはないシルエットがゆらゆらと揺れているからわかる。

…ちょっと待て。

そもそも何故自分は裸足でこんな暗い洗面所にいるんだ…?何故首だけしか動かせない…?
ハッとして自分の両手首を動かしてみれば聞こえてくるのは布が階段の手すりに擦れる虚しい音だけで。思い切り力を入れて引っ張ってみてもびくともしない。きっと固結びか何か無茶な結び方でもされているのだろう。どの道背中の後ろで組まれていては力の入れようがない。ある程度の方法を試し無理だと悟った雪男は黙って燐を見やる。
犯人が誰かなんてわかりきったことは聞かない。聞かないが、どうしてこのようなことになったのかという理由が皆目見当もつかない。


「…えっと……これはどういう状況なのかな、兄さん…?」

「兄ちゃんの忠告を聞かないバカな弟にお仕置きをしよーかと思って」

「…………は?なに、ついに頭が沸いちゃったの…?」

「…沸いてんのはお前の方だろーが!」

「…――ッ!!」


ドゴォッ!と、大きな鈍い音が響き、続いて何かがパラパラと崩れる音。燐が洗い場を殴ったのだ。おそらく、素手で。ますます混乱する頭をなんとかして落ち着かせ自身の状況を整理する。
まず僕は両手を背中の後ろで階段の手すりにくくりつけられていて、服装は夜間着代わりのTシャツとスウェット。靴は履いておらず、裸足だ。メガネが無事ということが不幸中の幸いといったところか。
考えをまとめて幾分か冷静になった頭をフルに動かし、雪男は静かに息を吸い込んだ。


「今!!すぐ!!ほどけ!!この…バカ兄ッ!!!」


結果、どうして自分がこんなことになっているのか心当たりが全く見つからなかった雪男はとりあえず大きな声で叫んでみた。だいたいこれは自分が招いたことなのだろうか。もしそうだとしてもやはり思い当たる節はないし、ここまでされる意味も分からない。
燐は特に何かしようとするでもなく雪男をただじっと見下ろしている。なんだかそれが気に食わなくて雪男はもう一度怒鳴ってやろうと口を開いた。


「何か言いたいことがあるなら、こんなわけのわからない真似なんかしないで普通に言えばいいだろ!!」

「……言いたいことなら山ほどある」

「だったら…ッ!!」

「けど、言ったって無駄だってわかったからこうしてんだろ」

「い゛ッたぁ…!!?あ゛ぁ゛っ、ちょっ…とッ!!!なにして…」

「だーかーらー、お仕置き」


燐の足が何の脈りゃくもなく雪男の下肢を踏む。力の加減なんてお構いなしのそれに雪男は顔を歪めた。燐は靴を履いたままなのだろう、硬い靴底が容赦なくスウェット越しの雪男を攻め立てる。雪男が声を漏らせば燐が鼻で笑う声が聞こえて。もともと燐には力では敵わないのに、その燐に良い様にされるがままの自分に不快感だけが募っていく。


「やめ、ろ…ッ!!」

「そう言うわりには反応してるみてーだけど?」

「ん゛…ッ、なわけ…ねー、だ、ろ…ッ!!」

「へーぇ?雪男君はぁ、踏まれて興奮しちゃうド変態なんだぁ…?」

「おい…!!…ぅ、ぁッ…」

「ブハッ!声出してる奴がよくゆーぜ!」


ぐりぐりぐりぐり。徐々に緩急をつけ始めた燐の踏みからは痛みだけでなく快楽が混ざりつつあることはたしかで。やめろともがけばもがくほど強い刺激が雪男の下肢を襲い勃ちあがらせていく。
燐は雪男のスウェットと下着を取っ払って腹の上に馬乗りになった。


「じゃあこれは何だよ」

「う゛、ぁあ゛…ッ!!」

「うお、強く握ったらデカくなりやがった…俺の可愛い弟はとんでもねー変態かよ」


後ろ手でねっとりと雪男のモノを撫であげると、踏まれて敏感になった下肢はびくりと跳ねた。その反応が面白かったのか燐はにやりと口角を上げて自身もズボンを脱ぐ。動けない雪男へ見せつけるかのように脱いでいく様は月明かりも手伝ってかとても妖艶だった。
「お前はゼッテー動いちゃダメだからな」

「……ッ!?な゛、に…!?」


しゅるり、と雪男の下肢に何かが巻き付いた。この感触は知っている、燐の尻尾だ。手入れをないがしろにしているそれはところどころ枝毛もあるのかチクチクと刺さって、それが先走りと空気を含んで聴覚を犯していく。雪男はたまらず足をもぞりと動かした。


「動くなっつってんだろ!」

「ッ!!あ゛ぁ゛ぁああッ!!」


燐は雪男のTシャツを捲り上げ、現れた小さな突起を思いきり噛んだ。噛み千切るつもりだったのかと本気で疑ってしまうほどの激痛に声を上げれば、満足そうに噛んだところを舐め始めた。燐の牙は尖っているから血が出ているかもしれない。もしそうだとしたら魔障が心配だ。じんじんと残る鈍い痛みをぐっと堪え、雪男は魔障の応急処置手順を思い出すことに集中することにした。こみ上がる熱を紛らわせるように深く呼吸を繰り返す。
雪男の意識が逸れたことに気付いた燐は口を離して自分の後孔へ指を這わせる。


「なぁ、俺がズボン脱いだ理由教えてやろーか」

「ぅ、くッ……はぁ?何言って…」

「俺のここにお前のデカブツを挿れるため」

「ちょっ…!!」

「踏まれたり尻尾に巻きつかれたりしただけでここまでビンビンになるなんてなぁ?お兄ちゃんびっくりだわ」

「えっ、な、…はぁあ!?」

「自分じゃわかんねーの?こーんなに濡らしてるくせに」


燐は膝立ちになってぐにっと双丘を開く。そのままゆっくりと腰を下ろし雪男の亀頭に後孔をあてがえば、そこから小さくぐちゅりと粘着質な水音が漏れた。まさか自分がそこまで反応していたとは思いもしなかった雪男は顔をカッと赤らめて身じろぐ。
燐の後孔はほとんど何の抵抗もなく雪男のモノをずぶずぶとのみこんでゆき、かと思えばすぐにずるりと引き抜く。そうやって先端ばかりの抽挿を繰り返してやれば雪男は段々とじれったくなってきて。けれど少しでも動くそぶりを見せればすぐに燐の鋭い牽制が入る。


「おまえ、さ……ぁッ…」

「っ…、なに」

「…ッは、ぁ……おれが、何で…ン…怒ってんのか……」

「…ぅ、ぐッ…わかるわけ…は、ァ……ないでしょ…」

「………そ、っか…」


罰としておあずけだな。燐は雪男のモノをあっさり引き抜くと、脱ぎ捨ててあった自分のズボンのポケットからシリコンリングを取り出した。暗くてよく見えないが表面にゴツゴツとした凹凸がある。今にも射精しそうな雪男の竿の先端をそれで縛り上げると、亀頭の割れ目に思いきり爪を立てた。


「い゛…ッ、ぁ゛あああ゛!!!」

「俺は怒ってんの」


続いて裏筋を指の腹で圧迫するようになぞりあげる。


「あ゛ぁ゛ッ…ぐ、ぅ……!!」

「俺はお前を心配してるってのに」


浮き出した血管を爪で軽くなぞって袋を甘噛みする。痛くて、けれど気持ち良くて。内側でじりじりと燻る熱をどうにか解放させたいのに叶わないのが苦しくて。


「あ゛ぁあ…ッ、やめ…ッ!!」

「なのに、ぶっ倒れるまで無理してさ」

「は、ぁ…?たおれ……えっ…」

「…覚えてねーの?」

「……全然、まったく」


燐はぽかんと口を開けて雪男から身を離した。


「風呂に行ったっきり帰ってこねーから心配して見に来たんだよ。そしたらここでお前が倒れてて…」


静かすぎる廊下に燐がぼそぼそと話す声が響く。一歩間違えれば魔障に侵されて取り返しのつかないことになるかもしれないという行為に、どうして自分が本気で抵抗しなかったのか今なんとなく分かった気がする。


「兄さん、ごめん……」

「…ん、もう無茶だけはすんなよ」

「うん、わかった」

「お前が忙しい間すっげー我慢してたんだからな、俺…」

「う゛っ……」


言われてみれば仕事中に何度か燐からそれっぽいお誘いを受けていたような気がしないでもないような…。今回の仕事はなかなかの長丁場で疲れもストレスも相当溜まっていた。後半はろくに睡眠もとっていなかったのであまり覚えていないが、きっと酷い返答でもしたのだろう。


「兄さん本当にごめんね、もう無理はしないよ」

「お前が気絶してる間に後ろほぐしたりとか、色々やったり…つまり、その……ぶっちゃけもう……限界、なんだけど」

「うん、僕も限界だからとりあえずこれ外してくれない?」

「やだ」

「……え?」

「お仕置きはする」

「……ちょっと待って、まだ何かする気なの…!?」

「だから、今回の分のお仕置きはちゃんとするからなって」

「いい加減一度イかせてほしいんだけど!」

「はぁ?駄目だって。雪男は今回一度も出させねーよ」

「はああああ!!?」


しかしこの仕打ちはいくらなんでも酷すぎる。どうにかして一度熱を解放させてもらわなければ、空イキなどという自分がしても全く面白くもない達し方をしてしまいそうだ。そんなことは断じてプライドが許さない。


「大丈夫だって。お前俺に踏まれて悦んでたじゃん。いける!」

「イけねーよ…っ!!」

「とにかくそのリングははずさねーからな」

「どうしてこんなことに…!」

「俺の忠告を聞かないお前が悪い」


燐は雪男の悔しそうな声を聴き流し、もう一度自分の後孔へ指を入れてナカをほぐす。十二分にやわらかいそこは燐の先走り液もあってかぐちぐちと卑猥な音を漏らしている。聴覚から得る情報だけでも達してしまいそうなぐらい限界にきている雪男にとってはただの拷問で。


「このまま挿れるな」

「えッ!?ちょ、それだと兄さんがキツいんじゃ…ッ!?」

「ん、だいじょ、ぶ……ひゃッ、あぁあああ…ッ!!」

「…ッ!!そんな、いきなり…ぁっ…!」


自分の体重も手伝って一気に雪男のモノで貫かれた燐は、あまりにも大きすぎる刺激に太腿が痙攣してしまっている。けれどそれ以上に燐の内壁とシリコンリングに締め付けられるという二重苦に襲われた雪男も相当つらくて。気を抜けば空イキ、気を抜けば空イキ。と、頭の中で繰り返し言い聞かせる。額には汗が浮かび、噛みしめた奥歯からはギリリと嫌な音がした。


「や、あぁッ、ン…!!ひさしぶりの、…ァッ、ゆき…だ、ぁあッ…!!」

「にい、さ……ん、クッ…これ、くるし…い…!」

「ハハ…おれ、は……ふ、ぅ…ンッ!…きもち、いー、ぞっ…あぁッ!」

「ッ…!も、やだ、これ…ッ、はやく…抜いて、よ!」

「おしおき、だから、ぁ…ッ、ん、ァ、だめ…ぇ!」


ただ腰を上げ下げして抜き差しをするだけでなく、たまに前かがみになりながらなど様々な角度から燐は自身のいいところをゴリゴリと擦っていく。雪男のカリやリングの凹凸がいつも以上に燐の内壁を突き上げ、燐は久々の快楽に頭の中が真っ白になった。燐の後孔が可哀そうなぐらいぱんぱんに膨らんだ雪男のモノをきゅんきゅんと締め付ける。肉と肉のぶつかり合う音が激しくなっていく。


「ひゃ、ぁ…ッ!ぁ、ああ、ン、くッ、ゃ、ああ…ッ!!」

「も、ッや…だめ、だって…!」

「ひッ、――ッ!!ん…ふ、ぅ――ンッ―――ッ!!」

「あ、あぁッ、ずる、い…ッ!!」


目の前で沢山の星がチカチカと弾けては消え、弾けては消え。燐の放った精液が勢いよく雪男の身体を汚す。飲み込みきれなかった唾液と零れ落ちる涙で燐の顔はぐしゃぐしゃになっていて。くたり、と寄りかかってきた燐はうっとりとした目で雪男の目を捉える。


「は、ぁ…ン、ゆき……ちゅっ」

「ちゅっ…も、う……僕もイきたい…ッ」

「は、…はは…ちゅっ、よく、耐えたな…」

「おねが…い、…はずして…ぅッ…」

「ふ、ぅ…ん、あぁあ…だ、めぇ…」


焦らすようにゆっくりゆっくりと雪男の欲望を引き抜く。離したくない、とでもいうかのようにひくひくと伸縮を繰り返している。


「でも、やっぱかわいそーだから…外してやる」


外してもすぐに達しないように押さえつけながら慎重にリングを外す。てっきりこの戒めが外れれば解放されるとばかり思っていた雪男の目は絶望的な色をにじませる。
燐は意地の悪い笑顔を浮かべ、くるりと雪男に背を向けた。燐の尻が雪男の眼前に付きだされる。


「お前の先走りで汚れたんだから舐めて綺麗にしろよ」

「えっ…!?」

「俺もお前のコレ舐めてイかせてやっからさ」


雪男は切れてしまうのではないほど唇を強く噛みしめた。むっと蒸れた匂いが鼻を掠める。考えるより先に舌が伸び、未だ物欲しそうにはくはくと口を開閉させるそこを舐めた。燐の尻尾がぴんと張る。


「ッ…!!ぁっ、ゆき……ン…きもち、いー…か…?」

「ん、ちゅっ…じゅる…っ、はぁ…きも、ち、いー…よ…」


燐の舌と唇が吸い付くように雪男の竿をしゃぶる。たどたどしい舌使いだが、どんな刺激でも達してしまいそうなほどに高められた雪男にとっては苦痛で仕方なくて。これで締め付けられた手が邪魔をしなければすぐに達することができるのに。
熱でぐらぐらと湯だった頭で、雪男は一心不乱に燐の後孔を舐めた。皺を伸ばすように舌先をぐりぐりと割り込ませたり、こんこんと入り口を突いてみたり。それだけで燐のモノは再び腹につくほどの熱をぶり返した。


「ふ、ぐぅ…ッ!ん、んんーッ!」

「ぷは、ぁ……兄さんも、もう限界?」

「う、ん…ぁっ、あぁ、も、だめ…ッ、だめ、ぇ…ッ!!」

「は、ッ…ぼく、も……」

「ん…くち、に……だして、い、い…から…ぁッ…!」

「ぅッ――ぁっ、…――ッ!!」

「ん、――ッ!あああッ、あぁ、あああ――ッ!!」


ぱっと手が離されて雪男のモノは弾けるようにびゅくびゅくと欲望を吐きだした。燐も雪男の胸に吐き出して息を吐く。相当溜まっていたのだろう、雪男の顔に跳ねた精液を舐めればどろりと濃い独特の味がした。


「たのむ、から……もっと俺を頼ってくれよ…」

「……うん、ありがとう兄さん」


振り向いた燐の目には零れそうなほど涙が溜まっていて。それが行為によって流されたものではないと悟った雪男は顔を近づける。燐も腕を雪男の首に絡めてキスを落とす。

落とす……。







「――っ!!―いっ!!大丈夫か雪男ッ!!?」

「……ん…にいさん…?」

「あ、よかった気が付いた…!!お前さぁ、ぶっ倒れるまで仕事漬けとかまじやめろよな…」

「えっ、倒れる……えっ!!?」

「覚えてねーのかよ…。風呂から帰ってこねーから、心配して様子を見に行ったらお前が階段のとこで倒れてて…流石にびっくりしたぞ」

「えっ、あ、あれっ…!?ここ、僕らの部屋…?だってさっきまで階段のところでセックスしてたんじゃ…」

「は……はぁあああッ!!?何言ってんだお前大丈夫か?…やっぱ病院に行った方がいいんじゃねーの?」

「…そっか、夢、か……」

「何で残念そうなんだよ…つーか、誰と誰がせっ、せっ…くす、なんか…」

「…そうだよね、セックスって言葉を言うのすら恥ずかしがる兄さんがあんなことやこんなこと…ましてやあんなことまでするはずがないし」

「待て待て待て!!夢の中の俺は一体何を…!?」

「そうだ…そうだよ!僕が踏まれて勃たせるはずがないし…うん、ちょっと残念な気がするけど万事休すだね!よかった!」

「え…あ、うん…そう、だな……」






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