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鏡を用意されその前に立ったナイトレイは愕然とした。
打ち付ける雨にも負けてしまいそうな柔らかい肌、いくら必死に動かしてもトランスフォーマーの前では蟻も同然であろう小さな四肢。
どこからどう見たって人間である。
オプティマスプライムに似たカラーのコンボイと名乗る者が
「まあバスケットボールでもして落ち着こうじゃないか」
と謎の声を掛けてきた。バスケットボール、とは。
検索をかけると続々と出てくる情報に成る程と頷いた直後、おや、と首を傾げた。
人間にこんなこと出来ない…よね?
「もしかしたら中身は変わってない…!?」
突然大きな独り言で盛り上がる少女にコンボイとラチェットは顔を見合わせた。
「どうか繋がってくれ…司令官でもいっそメガトロンでもいいから!」
『自分から俺に連絡を取ってくるとは、』
「但しサウンドウェーブお前はダメだ」
祈る思いでトランスフォーマー全員共有の回線を開くと願ったのが馬鹿に思えるほどあっさりと回線は繋がる。
しかし出たのはナイトレイの嫌悪する人物。ブツッと速攻で切断し、繋がることは分かったのだからと今度はオートボット全員の共有回線へ繋げた。
『………ナイトレイ、か?』
数瞬の間が空いたがオプティマスの声が聞こえた。
安堵に崩れそうになる膝を抑えてナイトレイは叫ぶ。
「オプティマァス! 私は一体何処に居るんだ!!」
『君は今地球に居る。少し世界がずれているが』
冷静に返された言葉にどう反応していいのか分からない。
ナイトレイが固まった様子を見てコンボイが首を傾げて尋ねる。
「いろいろ込み入った事情があるのは分かった。どうか私達にも説明を聞かせてくれないか?」
回線をオープンにしてテレトラン1のスピーカーから音を、画面に自分の元の世界を映し出すと疑っていたラチェットも白旗を振った。
画面いっぱいに映るのはオプティマスそしてオートボット一同。
対してサイバトロン全員を呼ぶわけにはいかないのでコンボイとラチェット、そしてホイルジャックが代表だ。一応サイバトロン全員にも聞いていても良いとコンボイが許可を出した。
『ナイトレイ、怪我は無いか? 無事か?』
繋がるなり真っ先に安否を尋ねてきたのは黒いトップキックだ。周りの仲間達がニヤニヤ自分を見ている事に気が付くと、柄にも無いことを聞いてしまったと照れ隠しに顔を顰めている。
ナイトレイが微笑みながら返す。
「アイアンハイド、私は何ともない…少し、見た目が変わっただけだ」
「アイアンハイドと言ったたかね? うちにも居るぞ」
頭の横に付いている…耳だろうか。そこをピカピカと点滅させながらホイルジャックが戸惑ったようにコンボイを見る。
『それに関しても我々から事情を話させて頂こう。私はラチェットだ』
「私もラチェットだ」
反射的に白い救急車が名乗った。
後書き
複雑になってきました。
130907
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