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「…何処だ、ここ」

「地球だよ、何処かの誰かさん。気分はどうだい?」


オレンジ色の暖かくも無機質な天井が見える。
寝転がった状態でカメラアイをぐるりと回すと今度は白いボディに時々赤が入った、美しいトランスフォーマーが目の前に現れた。
ナイトレイが体を起こしたことを確認すると彼女の寝ていた台の横に膝を着いて目線を合わせ、澄んだ声で話しかけてくる。


「地球か、でも其処が聞きたかったんじゃなかったよ白い美人さん。気分はまあ悪くないかな」


誰だ彼は。地球でこんなトランスフォーマーを見たこと無いが。
そう考えながら冷静に視線を送れば相手も選別する目で彼女を見つめる。
敵か、敵じゃないか。


「………調子も良さそうだし、色々と聞きたい事があるからね。着いてきてもらおう」


立ち上がった彼の体に見覚えのあるインシグニアが見える。


「OK。…しかしそのインシグニアは………オートボットか? 随分と単純な作りに見えるが」

「…単純? 単純と言うのかね私達セイバートロニアンを。随分と自分の文化に自信をお持ちのようで」


その安易な発言は彼の琴線に触れたようだ。慌てて弁解を試みる。


「セイ…何? サイバトロニアンだろう。そして誤解を招いてしまったようで申し訳ない、悪い意味は無いんだ。その姿なら隙間に猫でも忍び込んできていないか躊躇しないでいいし、リペアも容易そうだし」


弁解は彼のスパークに届いたようだ。
猫が入るという言葉に色々と想像してしまったのか、うげっとした顔になり、親しみのある表情に唐突に変わったことで思わずナイトレイはクスクスと笑ってしまった。


「サイバトロニアン? 誤解は分かったからもう再度一から始めよう…君の名前は?」

「ナイトレイ。サイバトロン星生まれだよ。貴方は?」

「フム…ラチェットという。セイバートロン星生まれの、ね」

「…えっ?」

「ところで我々は君の言うオートボットではなくサイバトロン、なのだが。君の出身と何か関係が?」

「………えっ?」


話の噛み合わない様子にお互い困惑し、どうしようかとラチェットが頭を回したときに彼等はやってきた。


「どうだラチェット、あの少女は起き…たようだな。おはよう」

「へ、あ、おはよう…ございます…」

「君は我々の基地の前に倒れて居たんだ。覚えているか?」

「分からない、かな」

「おおこれが記録喪失か! どうしたものか」

「いや記録はある」


事件解決を思って話しかけてくれるのは分かるがますます混乱へと導いている気がする。
しかしそれにしても…。


「君ら…大きいな」


そう、トランスフォーマーであるナイトレイは小柄とはいえそれなりのサイズだ。
しかし彼等はナイトレイが見上げなければならないほど巨体なのだ。
はははと声を上げて赤い、オプティマスに似た者が笑う。


「人間の君に比べたらみんな大きいだろう。トランスフォーマーを見たのは初めてなのか?」


そしてナイトレイを人間だと断言した。










後書き
初代へトリップ!

130809

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