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「どうもコンニチハ。ゲテモノです」
「ち、違うナイトレイ!」
「自己紹介する前にストーキングしていた理由を話しておけ」
怒りを目に湛えて口元だけ薄く吊り上げたナイトレイの表情は恐ろしいものだった。
何故という疑問をぶつける事も忘れ狼狽するサウンドウェーブ。そんな二人を呆れたように見るショックウェーブ。
メガトロンが口を開いた。
「確か昔見た事がある。しかし…いつ、何処でだったか」
「健忘ですか、メガトロン。あんなに甲斐甲斐しく世話をさせられてあげたというのに」
「そ、そのふてぶてしい上から目線! あの時の傭兵か!」
はっとして、思わず後ずさると背後にいたオプティマスにガツンとぶつかる。オプティマスは少しよろめいたが気にせず言った。
「すまないがよく分からないので帰っていいか?」
サッとオプティマスの背後に隠れ、巨体を縮こませては破壊大帝の威厳も形無しだ。
「そうですその傭兵ですとも」
「閣下、どうする。今我々は武器も無いので絶好の復讐の機会です」
「あ、そういう下らない事に興味は無いのでお気になさらず」
「さっきからナイトレイ…今までと違うぞ」
「いやあ、怨みは語り尽くせない程あるからね。ただこの腑抜けたディセプティコン共を見ていたら、復讐する気も失せちゃって」
ふ、腑抜け…!
胸に突き刺さる言葉によろめくという大袈裟なリアクション。冷たい目をちらりと向けて、またショックウェーブへと視線を戻し穏やかに笑う。
「帰っていいか?」
「くっ、貴様、閣下にそのような暴言を吐くとは…また躾が必要か?」
「サウンドウェーブさりげなくメガトロン様だけ腑抜けという設定にしたな」
「ああ、これだから陰険は嫌だね」
「卑劣漢め」
段々単なる悪口になってゆく。
サウンドウェーブの精神ゲージがガンガン減っていくのが手に取るように分かってしまうメガトロンはそっと心の中で手を合わせた。彼の冥福を祈り。
「冷血。悪趣味」
「下衆」
「帰っていいか、チキンで陰険で卑劣で冷血かつ悪趣味な下衆野郎」
意外…というより予想外な事にとどめを刺したのはオプティマス。
さりげなくチキンと付け足した事にボロボロのサウンドウェーブは気づいていたのだろうか。
後書き
帰りたがる司令官。
130716
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