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和解した、という衝撃のニュースはたちまち宇宙を駆け巡った。
トランスフォーマー達のみならず、他の異星人にもその噂は伝わり、漸くかと安堵する者、折角の金づるがと悔しがる者、はてさて戦争はいつ始まったのだったかと思い出す者。多くの感情が宇宙に溢れ出し混乱は拡がる一方。
しかしトランスフォーマー達は己の指導者の下へと続々と集う。
大いに混乱しながら並び立つディセプティコンとオートボットの指導者を見つめ、誰もが呆然と呟くのだ。


「…夢、か?」





「ふむ、これで丁度100人目だ。すごいな、100人集まり100人全員夢を疑うとは」

「そしてその混乱してる奴らを眺めて愉しんでるんだろ。ヤブ医者め」

「成る程スタースクリーム、君がそんなに献体になりたいと言ってくれるとはとても嬉しいよ。スカルペル君も呼んでこよう」

「俺が呼んでくるのでちょっと待っていろ」

「ブラックアウトてめぇ! ちょ、ま、本気でやめろ!!」


仲良く話し込んでいるのはオートボットのラチェット、ディセプティコンのスタースクリームとブラックアウトだ。
ディセプティコンの二人の険悪な様子はすっかり和らぎ単なる仲の悪い者同士となっている。大きな理由として、スタースクリームが「こんなディセプティコンを率いるのはちょっとな…嫌とかそんなんじゃなくて難しいかなー…なんて」と自由気ままに過ごす同胞達を引いた目で見た事か。
しがらみのない自由な身となったので裏でコソコソしていた者は堂々と悪事を働きオートボットに、時には仲間に突っ込まれる。
変わらぬ忠誠を再び誓う者も居たが、もういいや自由最高と叫び基地やはたまたこの惑星を飛び出した者達も。
統一された目的の存在しない集団は最早制御し切れない。


「オプティマス、終わりのようだ」


メガトロンと、その後ろからオプティマスが姿を現し仲良く喧嘩する三人を見つけてそっと微笑む。


「ああ。今日もありがとうメガトロン」

「全く貴様は…いちいち面倒臭いのは変わらぬな」

「だがそれが良いところだろう?」


随分と昔の話。
オプティマスとメガトロンがサイバトロン星に居た時代の話だ。
ぷいとメガトロンはそっぽを向く。


「そんな事言った記録はない」


嘘つけと言う代わりににっこり笑ってオプティマスはメガトロンの後方に控える彼の有能な参謀に声を掛ける。


「サウンドウェーブ、確か君もあの場に居ただろう」

「ああ。閣下は他にも…、」

「サウンドウェーブ!」


意外なことにサウンドウェーブも仲良くやれているようだ。










後書き
仲良しオートボットとディセプティコン。
…凄い違和感!

130712

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