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『ぶっちゃけると、きっかけは私のちょっとした好奇心だった。違う世界は存在するのか。どんな場所なのか』



「つ、つまりラチェットの研究の結果、か? 私が実験台にされたのか?」


不穏な言葉にコンボイは目の前の小さな背中に視線を送り、震えている事に気付くと抗議の目をテレトラン1の画面に映る異世界の機械生命体達に向けた。
画面の奥でオプティマスが責任を感じて思い詰めた表情で立っている。


『成る程、仲間をそのような実験に使ったという訳か。結果は大成功、さぞ嬉しいだろうよ。因みに俺はとても愉快だ』


突如オプティマス達の背後にあった扉が開き、新しいメンバーが到着したようだ。
向こうの人物を知らないコンボイ、ラチェットとホイルジャックだが、それでも妙に覚えのある赤いカメラアイを眺め、同時に首を捻った。


『メガトロン! それにスタースクリーム! …あとその他ディセプティコンめ何をしに来た!』

「…成る程、我輩は何となく掴めてきましたぞ司令官」

「よし言ってみてくれ」

『その他に纏めんじゃねぇ俺はレーザービークっつー名前があンだよッ!』

『おれはボーンクラッシャーだ!』

『ボーンクラッシャー、それでは単なる自己紹介だろう』

『うっせーブロウル』

「さっきから知っている名前ばかり出てきているがね、つまりそういう事!」

「成る程あれは異世界の私たちという事だな!」

「何故分かる!?」


画面の奥ではオプティマスがメガトロンに右ストレートを叩き込み、盛大に吹っ飛んだところであった。


『息子の発言の責任は親にもある』

『だ、だ、誰がむすっ…ぐぎゃっ』


スタースクリームも飛んだ。
頭から着地し、飛び出た目玉を抑えて「マイアイ! マイアァァイ!!」と叫んでいる。
容赦無くアイアンハイドがその苦しむスタースクリームに一発放った。


『開発は私とショックウェーブだ。そして無断で起動させ使用したのがサウンドウェーブ』


気にせず話を続ける黄色い救急車にナイトレイはこっそり戦慄していた。表情には出さないが脳内ではコイツヤベェという言葉が飛び交っている。


「どうすればこの子は…ナイトレイはそちらに帰れる?」

コンボイの真摯な言葉を聞いてナイトレイは泣きそうな思いを必死に堪える。人間のボディはどうやら感情を制限しにくいらしい。
そしてその真剣な表情を見て、オートボット一同もコンボイにナイトレイを任せても安心だろうと胸を撫で下ろした。


「こっちのサウンドウェーブをブッ飛ばせば帰れるかなぁ」

『ナイトレイ、落ち着いてくれ。今の君の…そのちっぽけで柔らかいボディじゃキツイだろう。それにそちらの世界のサウンドウェーブは君に何もしていない』


戻ってきたオプティマスが思いやりと慈愛に満ちた台詞を言う。ボディのあちこちにオイルが飛び散っているのは気にしてはいけない。


『それを聞きに来たのだオプティマス。サウンドウェーブの姿が見えんのだ』


メガトロンが、オートボットに今にも飛びかかりそうな部下達を抑え、逃げたしそうな部下を足で踏みながら尋ねた。


『まさかとは思うが…』


アイアンハイドが苦虫を噛み潰した表情を作り出す。


『その通り。機械には二人が通過したという記録があった。…ナイトレイとサウンドウェーブだ』

「…まずいね、それ」

『異世界渡りにはペナルティーがある。それは人間と同じ姿形になる事。きっと奴も…そしてショックウェーブも』


「ショックウェーブも? 来てるの!?」

『引き留めたが、振り切られたよ』

「そう…来てくれたのか…」


ナイトレイ口元が綻んでいる事に気が付いたオートボットは微笑ましげに見つめ、ディセプティコンは理解出来んと思考を放棄し、サイバトロンはどんな関係だろうかと首を傾げていた。







後書き
相変わらずの悪役、サウンドウェーブ。
そしていいとこ取りなショッキィ。
一つの場面にキャラが多くて力尽きそうになります。小説って難しいなぁ…。
ラチェットばかり話しちゃいました。

130909

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