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起きて起きてと揺すぶられ、閉ざしていた瞼を持ち上げると太陽のように明るくカレンが笑う。
「海、今日こそ行こう」
「ああ」
分かっていることは知っているが、冬だから入らせないぞとからかうと顔を赤くして私の胸を何度か叩く。
「分かってるってば」
いくらなんでもそこまで馬鹿にする訳がない。
昨日購入した服に着替えて海辺に立つと、冷たい潮風が二人の間をすり抜ける。寒いねとカレンが呟いたので、そんなことはないのにそうだなと返してカレンと手を繋ぐ口実とした。
「カレン…」
「なにー?」
「似合っている」
私の選んだ白の…ワンピース…か?
それがカレンの豊かな髪を更に際立たせている。
「ショックウェーブもかっこいい」
カレンと私。並ぶと白黒だ、とカレンが嬉しそうに言った。
波際に行くと、本能的に錆を防ごうと海水に近寄る事を躊躇ってしまう。不満を漏らすカレンを適当に宥めて少し席を外す旨を伝える。
「一瞬だ」
「…分かったよ」
馬鹿ぁと短く叫んだカレンが私に背を向けて駆け出すことを確認して私は昨日目を付けていた店に足を運ぶ。
店長を呼び、軽く一言二言告げると微笑んで、少し待たされた。
これでよろしいでしょうか。
業務的に尋ねる店員にこちらも業務的に頷いて金額を支払い、待たせていたカレンの元へと向かう。
砂浜で貝殻を突ついていた。
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