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「あ、トール、さん」
「…おや珍しい。サイドウェイズですか」
オートボットの司令官に呼ばれ、応答したトールは背後から己の名が聞こえて振り返った。
視線の先ではサイドウェイズが胸の前で緩く両手を合わせている。
なんというか、その姿は先輩に告白しようと決心し、それでも羞恥に戸惑う少女のようだ。
此処まで考えてトールは内心頭を横に振る。
「(いけない、最近エップスにジャパンの学園青春ドラマを見せて頂いたからでしょうか)」
因みにエップス曰く、青春は誤字で正しくは性春らしい。
「あのだな、コレを…受け取って、下さい!」
言うが速いかサイドウェイズは両手に包み込んでいたソレをトールの方へ突き出す。
人間からしたら大きいがトランスフォーマーからすると小さなその掌に乗っていたのは可憐な花だった。
「、花ですか?」
受け取れというから拒否するのも気まずい。そう思い素直に指を伸ばして花を慎重に摘まむ。
一瞬指が手に触れたときにサイドウェイズがピクッと反応した気がした。
胡乱げに見上げると慌てて目を逸らす。明らかに怪しい。
「そ、それアサガオっていう花で…花言葉は………愛情。…って別にそんなんじゃないけどさ! うん、オレとデモリッシャーからの贈り物だ!」
「あいじょう、ですか」
「もしかして…花は嫌いだったか?」
「いえ、そんなことありませんよ。ありがとうございますサイドウェイズ」
トールが微笑むと彼は挙動不審な動きで回れ右をする。
「喜んでくれてよかった…そ、それじゃまたな!」
「ちょ、サイドウェイズ待って下さい! 行ってしまった…」
あっという間にアウディに変形し、サイドウェイズは去ってしまった。残されたのはトールと花。
困ったように彼女は手の内のアサガオを見下ろす。
「根っこごと引き抜いてきても、どうしたら良いのかサッパリですよ」
オプティマスプライムに相談してみよう。
アサガオを目の高さまで持ち上げるとくすりと笑う。
「…可愛いな」
「あーあ、どうしてデモリッシャーの名前出しちまったんだろ」
「全く、お前は困った奴だな」
後書き
まずはサイドウェイズです。花の季節迄は揃えられなかった…どうかお目こぼしお願いしますw
120901
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