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それからは彼の部活後、ほぼ毎日練習を見てくれることになった。
部活中は場所がないので一旦学校を出て近場の公園に居る。


「ストリート行きゃいいのによ」

「そんなレベルじゃないって」


だがやはり、見ていてくれる人が居ると全然違うらしく、榛名の実力はグングン伸びていた。
だが青峰曰くまだまだらしい。


「女バス入ってもいいかな?」

「榛名にはまだ早過ぎるだろ」

「えー?」

「オレ相手に一回も抜けてねーじゃん」

「そうだけどさ…」


勿論榛名は青峰がレギュラーだなんて思いもしない。当然だ、一年生の友が既にレギュラーと考える筈もない。また、青峰も教えるつもりがなかった。
スクスク伸びる彼女の実力は女バスに譲るにはもったいないと思ってしまったのだ。
そんなこんなで練習するうちに榛名はすっかりバスケの魅力に取り憑かれる。





ある日、体育館で青峰を待つ間に榛名はレイアップの特訓をしていた。本音としては青峰がやるような派手で格好いいダンクをやりたいが、榛名の身長は決して高くない。自慢の跳躍力を以ってしても足りない。
チビだとからかってくる青峰に殺意を燃やしつついつか見返してやる予定だ。

いちに、さん。
タイミングが上手く合って綺麗にゴールへ収納されたボールをキャッチして満足げに汗を拭う。
そしてタイミング良く差し出されたタオルに礼を言いガシガシと顔を拭いて固まった。


「…幽霊?」

「違うよ」


青峰がこんな気の利いた事をする筈無いし、かと言って他の生徒が残っているような時間でもない。
見当違いな発言をした榛名をそいつは笑った。





後書き
新たな人物。

120802

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