Main
First:≫Main:MemoLinkClap;re

あの体育館での出会いのときは呆然と立ち竦み声も掛けられなかったが次こそは、と青峰は体育館に通い詰めていた。
先客が居るから来なくなったなど考えもしていない。
今度は榛名が青峰の練習を影から見る番となった。最初は体育館に人が居ると気が付き回れ右で帰る筈がつい懐かしいボールの弾む音に引き寄せられこっそりと覗く。
そこには一心不乱にバスケをする少年。まだまだ荒い動きにときどきぞくりと背に冷たいものが走る程、凶暴なまでに美しい動きが混ざる。
バスケ…考えもしていなかった。
彼の成長を想像して微かに微笑む。


「今度はバスケにしてみようかな」


無意識に零れ出た言葉だった。
そう決めた瞬間踵を返し予算を計算し始め、充分だろうと予測を付けたあとはこれからの生活を思って興奮が収まらない。
家に着く前にシューズを購入する。制服姿だが責任感の薄い若いバイトは特に何も言わず受け流してくれた。





次の日から榛名は彼が来る前に体育館を使用することにした。彼には悪いが、部活で散々バスケをしているのだろうから別段構うまい。
見様見真似で始めたものだからシュートなんて中々入る筈がない。
どうしようかな、と3Pラインでボールを手に持ち神妙な顔で考えたとき、背後から綺麗なシュートが放たれた。微かにネットを揺らし、ゴールを決めた人物は、


「何やってんだ、下手くそめ」


などと失礼な物言いで榛名に歩み寄る。


「誰?」

「青峰大輝。お前は?」

「橙谷榛名」

「バスケ好きなの?」

「まだ始めたばかりだから…」

「フーン」


よく分からない会話をした後バウンドしながら帰ってきたボールを再度ゴールに入れる。


「オレが好きにさせてやるよ、バスケ」


唐突にそう言った彼の、青峰の思考が分からず榛名は困惑した。





後書き
お互い見てたっていう。
あとかがみん誕生日だー!

120802


prev next


Bookmarknamechange

 
Since.2011/07/29
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -