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入学してもう一ヶ月が経つ。
初め榛名の勧誘に必死だったバレー部の人々も取り付く島のなさに諦めたようでとても平穏な日々を送っている。反面、彼女の運動神経に目を付けた他の部活が勧誘にやってくるが。
まだ中学で何を始めるか思いつかない。





青峰大輝は既にバスケ部で目覚ましい活躍をしていた。
入部してまだ少ししか経ってないというのに既にレギュラーの座を得て居る。ひとえに彼の努力の成果であったが、やはりそれが気に食わない二年生三年生が多い。
青峰は辟易しながらその日の午後練習を終えた。
更に自主練の為、何処の部も利用していない体育館に向かうと聞き慣れない音が聞こえる。
そっと覗けば一人で黙々と練習を行う影があった。
一人で行うには困難であることが素人目にもわかる動きを容易にこなし、またスパイクが体育館の床に刺さる。
それに至るまでの努力を何となく察し、またその迫力に青峰は圧倒されていた。


「すげえ…」


意識せず漏れた声は紛れもない本心だった。





榛名はおかしな気分に襲われていた。
もう進学を機に辞めた筈のバレーをまだしているとは。
身体を動かす為に行う動作はまだバレーしか浮かばない。
高く、高く跳び、鋭く全身をしならせスパイクを打つ。
無駄なく全身を使って動けるからこそ彼女は最強の座へ登り詰めたのだ。
極められたテクニックこそが榛名の最大の武器だった。





後書き
出て来たけどバレー関係無いですすいません…。

120730

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