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帝光中学校。そこは後に『キセキの世代』と謳われる者たちが在籍する。
今はまだ強豪という程度でしかない。
その生徒達は明日、入学する事となる。
春爛漫な風景に心を揺らす程の情緒がある訳もなく、在学生はいそいそと体育館へ向かう。
コソコソ聞こえる会話の中からはこんな会話が聞こえた。
「橙谷榛名っていう凄い子が来るんだって」
「へぇ、どういう風に凄いのさ? ってか何の子?」
「何でも大人…は言い過ぎだと思うけどそこらの高校生位になら余裕で勝っちゃうというウワサ!」
「だからー、何の?」
「あはは、ごめん肝心なところ忘れてた!」
バレーらしいよ!
そのまま生徒たちは体育館へと入場した。
直後に傍にあった桜の木の枝の隙間からひょっこりと頭が出る。
よいしょという掛け声で地面に降りると足下に付いた埃を払う。
「もうやるつもりは無いけどね」
胸には新入生の証、リボンで出来た花が咲き誇っていた。
新入生を歓迎する校長の言葉は無駄に長くて聞いている時間がもったいないと大半の子供は考えるだろう。在校生は特に顕著で姿勢を崩しては隣に居る仲間に突かれている。
だが新入生はこれから始まる生活に期待し、寝るなんてこと出来る筈もない…何てこともないようだ。
これからの波乱万丈な生活を予想して教師陣は重い溜め息を吐いた。
式を終えて新入生は己のクラスへ向かう。
教室にいるメンバーを見回して、榛名は大人しそうな水色の髪を持つ少年に話し掛ける。
「ね、何て名前?」
「ボク、ですか?」
少年は話し掛けられたことに戸惑っている。
「ボクは…黒子テツヤです。君は?」
「橙谷榛名っていうんだ。よろしく」
目を合わせて微笑みあう二人はもう友達だった。
後書き
黒子の中学編。ブームが続いたら高校編までやります!
120729
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