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ディセプティコンの艦船ネメシスの中、操縦室に一体のトランスフォーマーが居た。

げほ、とスタースクリームは咳込んだ。
口内に貯まったオイルを乱暴に吐き出すと口元を拭う。


「メガトロンめ…」


先程までこの間の作戦失敗について責められ折檻を受けていたのだ。まだ軽い被害だったから殴られ踏み付けられ程度に済んだのだが、これが重要な作戦であったらメガトロンは容赦無くその武器を使っただろう。
幸か不幸かスタースクリームはその事実に気付いておらず、暴力を振るったメガトロンへの悪態を吐いている。
被害を被る事を避けてか回りにはドローン一体も居ないためスタースクリームは一人で起き上がり一人で手当てをしなければならないようだ。


「クソッ立てねぇ…」

「あの…ス、スタースクリーム…?」


そんな傷だらけのスタースクリームに声を掛ける者がいた。


「…ステラか」

「その…手当てをお、お手伝いし、」

「いらん」


ステラと呼ばれた人物。
その立場を端的に表すなら愛人だろうか。


「貴様はさっさとメガトロン…様の所にでも行け。俺に構うな」


そう、メガトロンの。実際にメガトロンが言っていた訳でもステラにその痕跡が残っていた訳でもないが本人達が否定しない。
スタースクリームの考えとしては、愛人というより恋人なのかもしれないと思っている。あの男が乱暴にに扱わないということはそれだけの価値を認めているということだ。


「うぅ…わ、私」

「黙れ! …そ、そんな顔をするな」


ちょっとキツイ言い方をするだけで直ぐうじうじ仕出すステラという女がスタースクリームは苦手だった。だが下手な扱いをしてメガトロンに告げ口されても困るという理由で無下に扱えない。
正直な所関わりたくない。


「せめて…足の治療を」

「分かった、分かったから一々おどおどするな、いいか!?」

「ハイ!」


こんなやり取りも果たして何度目か。
いい加減学習能力を付けてほしいと思いながら治療を受けるスタースクリームだった。


「(だが悪い気はしな…って何考えてる俺!)」





既に治療を受けにスタースクリームはノックアウトの下へ向かって操縦室にはステラしか居ない。
そこへ泰然と現れたのがメガトロンだ。
床に残るオイルの後を見て面倒そうに溜め息をつき、ステラにカメラアイを向ける。ステラはそんなメガトロンを見てクスクスと笑っていた。


「そう笑うなステラ。あの愚か者は失敗する度に罰を与えねば覚えんのだ」

「オシオキしても失敗するけれどね」

さっきスタースクリームと話していた時とは全く違う態度だがメガトロンは動じない。
そこそこ長い付き合いなので彼女がこんな性格だと始めから知っている。


「本当、スタースクリームってば愉快ね」

「噂では愛人…だったか? 俺としては真にしてもいいのだがな」

「冗談。貴方みたいなの相手にしてたら体が持たないわよ」


半ば本気で言った口説き文句をサラリと躱すステラに一瞬残念そうな目を向け、メガトロンは踵を返す。


「私は満足したしもう行くわ。そうそうメガトロン、ダークエネルゴンだっけ? うっかり意識を持ってかれないよう気を付けなさいよ」


背を向けたメガトロンに掛けられた言葉に驚き振り向く。
だが既にステラはその姿をジェットに変え飛び去る所で、得体の知れない情報網を持つステラにある程度の諦めを抱えていたメガトロンは見送る。


「ダークエネルゴン…貴様にも誰にも教えた覚えはないのだがな」





後書き
性格安定しない\(^O^)/
スタスクの喋り方が分からなすぎて笑えます…orz
タイトルはアレです、表に惹かれるスタスクと裏に惹かれてるメガ様…みたいな………?

20120330

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