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ショックウェーブとステラの二人が主に呼ばれ命令を受け取って退室後、彼女が戻ろうとした時呼び止められる。
何かと振り返ったステラは相変わらず表情の読めない男と目を合わせた。


「恐らく私はお前のことが好きなようだ」


そしてその言葉に一瞬ヒューズが飛んでしまったかのように動きを止める。


「…は?」


発声回路から絞り出せたのはこの微かな声だけだ。
落ち着け自分と言い聞かせても大した効果もなく動揺は収まらない。


「私はお前のことが好きだ」


より端的に言う彼には動揺などまるでない。
客観的なその物言いに拍手を贈りたい気分にすらなった。


「え、と…いつから…?」

「前回共に戦闘を行ってからだと思われる。聞きたいことは以上か?」


かつてその戦闘で指揮を執った時同様に質問を問い掛ける言葉。
流されてついステラは頷く。
それからしまったと咄嗟に口元を抑えた。
質問が無いということは話が次へ進んでしまう。



「ならば返答を求めよう」


表情の見えない筈のショックウェーブが、ニヤリと笑った気がした。


「そ、そんなこと急に言われても…分からないよ」

「では試験的に付き合ってみようか」


どうにか状況を回避しようと、曖昧に誤魔化しに掛かるが逆手に取られてしまった。
口調が柔らかくなったショックウェーブがふと提案した。


「試験的って…私としては好き合ってからが良いんだけど」

「物は試しというだろう。実験と同じさ」


ステラは納得いかないような顔をし、ショックウェーブは真面目な声のまま大袈裟なまでの身振り手振りで損益の無さをアピールする。
結果。
口の上手い彼に見事丸め込まれてステラはショックウェーブと付き合う事となった。





周囲のビーコン達がヒソヒソと囁きあっている。気付かれていないと本気で思っているのか、と疑問を抱きながらステラが振り返った途端パタッと会話を止めて敬礼をする。
問い詰めようとも曖昧に誤魔化され、必死に秘密を漏らすまいとしている彼等に勢いで押し切られたステラは何故ビーコン達が自分を見てくるのかと不思議に思っていた。


「…で、どう思う?」

「さてな。お前の格好がおかしいんじゃないか」

「そんな訳ないでしょ失礼な!」

「クックッ…すまん」


相談を持ち掛けた相手、ショックウェーブは随分楽しげな雰囲気を醸し出す。
顔には赤く光るカメラアイしか無いというのに、どうして彼は何時も分かりやすいのだろうかと問いたい。
机を挟んで向かい合い、手元の作業に支障なく返事を返してくるショックウェーブに感心しながらも話すことは止めず、寧ろ積極的に邪魔をしていくと呆れたようにして漸く彼は手を動かすことをやめる。


「何か変な噂でもあるのかなー…」

「変な噂…か」


変じゃない噂…否、事実なら流れているがな。
ショックウェーブはほくそ笑む。ビーコン達が話しているのは最近彼と彼女の距離が近いということ。
今こうして二人きりなこともまた噂の種となっていることだろう。
ステラがじっくり周りから固められていることに気付くのはいつなのだろうか。










後書き
先週日本版のショックウェーブ出てくる前に書いてました。
まさかあんなショックなキャラになっているとは…FOCやアメコミを思うと随分雰囲気が予想と違いました。
でも勿体無いので上げちゃいます。

130202

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