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トントン、と肩を叩かれて振り向けば、視界いっぱいに広がる感情の見えない顔。
咄嗟に上げかけた悲鳴を飲み込んでステラは微かに仰け反りながら引き攣った笑顔を浮かべた。


「サウンドウェーブ」


本人の名前を呼べば、頷いて一歩下がり距離が開く。


「………」

「………」

「………」


距離を取っても何も話さないサウンドウェーブ。ステラも何と言ったら良いのか分からず長い沈黙が続き、ステラはサウンドウェーブの肩越しにこの通路を通りたい様子のビーコン二人組を発見した。


「………………何か用でも?」

「………」


ビーコン達の為にも、とステラが口を開くとやはりサウンドウェーブは沈黙を続ける。いや、何か様子が変わった。
心なしか照れている。
何故かモジモジとしている。
あ、ちょっと俯いた。
この時ステラはサウンドウェーブの両手が彼の後ろに回され、何かを隠し持っている事に気が付いた。


「渡したい物が有るとか…?」


はっとしたらしく、顔を上げてステラと目が合うと決心した様にゆっくり頷いた。
そしてその可憐なボディの後ろに上手く隠していたそれをさっと差し出す。
反射的に受け取ったそれはひどく小さい。


「ん…花?」


小さい、花だった。
いくら可憐なサウンドウェーブだとはいえ、地球の花と並べば遥かに大きい。そして彼が猫背を更に丸めて花を摘む場面を想像するのは容易である。
ステラは手の中にすっぽり収まった花の茎を持ち、指先でクルクル回転させる。


「あ、」


意図は掴めないにせよお礼は言っておこうと前を向くと既にサウンドウェーブはUターンし、足音も立てず離れて行く。


「ありがとう、サウンドウェーブ!」


背後から大きな声で言えば、彼は立ち止まって少し振り返り、軽く首肯してまた歩き出す。










後書き
突発的に。昨日のプライムの音波さんを見てたら興奮しました。
喋らない威圧感凄かったよ!
ついでに下にオマケあります。

130106










道を譲ったビーコンは二人がその場から去ってから、


「何かデジャヴ…か」


と考えた。
そして唸った末にあ、と片方が声を挙げる。


「人間の映画だ! 天空の社ラプターとかいう」

「あー!」

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