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そこは暗い、地球の森の中。
突き飛ばす様に突き放し、たたらを踏んだステラは動揺に瞳を揺らして恐ろしいオーラに包まれたスタースクリームを窺う。
その視線に何も言わずスタースクリームは片腕の銃で躊躇なく彼女の膝を撃ち抜く。
「っい、ぎっ…!」
嫌な音を立ててきっと砕けただろう膝を庇って横に倒れ込むステラの耳にスタースクリームのいやらしい声が聞こえる。
「喚くなって。声は上げるなよ?」
「…う、っ」
無意識に息を殺して蹲るステラに非情な蹴りが入る。
「返事がねぇなぁ」
「…っ」
鼻を鳴らしてスタースクリームは倒れ込んだステラの背中に細い片足を乗せ、少しずつ体重を掛けてゆくと同時に話し始めた。
「メガトロンの奴ぁどうしてあんなにしぶといんだかね…俺には全く理解出来ねぇよ。そうは思わねぇか?」
「っ、さ、あ……私には何と、も………」
ステラが声を出した途端、背中に乗っていた足の細い踵に体重が掛けられ容赦無くステラの背へ食い込む。
口答えすんじゃねぇよマヌケ、と薄い唇をへの字に曲げて凄むスタースクリーム。申し訳ありませんとだけ告げた後ステラは口をつぐむ。
不意に足が退けられ息の荒いステラの細い首をしなやかな指が掴み上げて無理矢理目線を合わせされると女性としては高いが男性には遠く及ばないステラのボディは簡単に持ち上がった。
「どうしてこんなよっえぇ女がこの俺様を差し置いてメガトロンに目を掛けられるんだか…どうせ体で取り入ってるだけだろ?」
発声機能の中枢が宿る喉へ全体重がかかる形となったステラには否定する事が叶わない。
苦しげな表情のままスタースクリームを見やると忌々しいと今にもステラの喉笛を食いちぎりそうな顔だった。
「所詮女か、抵抗一つ出来やしねぇ。まだオートボットのバイク女の方が骨があるぜ」
最後にそう吐き捨て、戦闘機へとトランスフォームして飛び去るその背中をやはり無言で、喉を摩りながらステラは見上げていた。
目を伏せて数瞬ののち、仲間へと通信を入れグランドブリッジの起動を要請した。
「やれやれ…貴女のようなお馬鹿さん、何故この美しい私が治さなければいけないのか…」
僅かなタイムラグで目前に開いた道から赤い男が進み出て這い蹲るステラの肩へ腕を回し左手をステラの腰に添えて立ち上がる。
「…さ、ぼらない……の。………ノックアウト」
「サボり? いいえ、通常の戦闘で傷ついたならこの私も大歓迎で治しますよ、ええ喜んで、全力で。しかし貴女の怪我は違います」
「じゃ…ほっといて」
「それが出来ないから困っているのですよ」
「何でよ」
「さて。さ、今のうちに帰ります。向こうは丁度人が居ないのでね」
「…ごめん」
真意を見せない軍医に感謝こそすれ、その手助けを拒む理由がない。しかしついステラは反発してしまう。
そんな面倒な女であるにも関わらずつい手を差し伸べてしまう。
その理由が。
「好きだから…抵抗出来ない」
他の男に惚れているからだとしても。
無意識に腰の左手に力が入ってしまったようでステラが痛い、と文句を言う。
歯を食いしばり、今にもステラを蹂躙して己を刻み込んでやりたい衝動を押し殺してノックアウトはすいませんねぇと笑いかけた。
「今は、ですがね」
何か言ったかと尋ねるステラを適当にあしらいグランドブリッジを通り己の城へと導いた。
後書き
付き合ってないのにDVに耐える主人公になってしまいました…。
映画スタスクの予定を変えてプライムスタスクにしたので少し違和感があるかもしれません。
勉強明けの一作目がこれとかorz
121216
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