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鼻歌交じりに早朝、木々の合間から零れる太陽の光を浴びる。
朝の散歩は毎週の楽しみであった。
「…ん?」
いつもならこんな朝早く外に見掛けるのは黎と同じく散歩する老人達かセミ捕りに励む少年達位だというのに、何故か目前のベンチで微妙に見知ってる男が横柄な態度を隠さず座っていた。
「よぉ黎。相変わらずジジクセェ趣味だな」
「そのジジ臭い趣味に文句を付けるというなら私が相手になるよ? 青峰」
「俺としてはエロい意味で相手して欲しいモンだ」
「ば、馬鹿!」
青峰大輝。
キセキの世代と呼ばれる程有名らしいが、黎は詳しくは知らない。
彼女にとって青峰は近所に住む悪ガキのままだった。
「全く、そろそろ黎さんって呼びなさい年下」
「アンタがガキっぽ過ぎて無理」
「生意気!」
「オバサン」
折角朝から気分が良かったというのに、一気に悪くなったと黎は溜息を吐いた。
止めていた足を再度動かしだらしない姿勢の青峰を横切る。
「朝飯何よ?」
「サンドイッチ。…ってまさか青峰…」
「おぉ流石黎。朝から俺の食いたいもの出してくれるとは」
勝手な事を言い、勝手に黎の後を着いてくる青峰に仕方ない子、と呆れ混じりの微笑みを浮かべる。
お、と青峰が虚を突かれた顔をしたが黎は気が付かない。
「じゃあ私の家まで競走! 勝ったら後でアイスあげるわ。よーいどん!」
駆け出す黎にスタートダッシュが遅れた青峰が慌てて立ち上がる。
「待てやー!」
「こ、怖っ!?」
後少しで到着だ。
待ってろよデザート…青峰が舌舐めずりする。
朝ご飯を食べたあと何が起きたか…それは彼等の秘密。
後書き
よく分からないけど黎さん待ちで早起きをしたのは確かです。
120722
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