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「あれ…ここ、何処」


レイが辺りを見回すと、知らない場所だった。
建物の中だとは分かる。では何故こんなにも広々としているんだろうか。


「取り敢えず…進もう」


壁を右沿いに進むことにしてみた。謎の機械の配線がうねうねと地を這っている。
これにはレイの探究心が刺激された。
が、三歩も行かぬ内にその行動は止まった。
目の前に巨大な何かが現れた為だ。
驚愕しながらそれを見上げるとどこか愉快そうな響きの唸り声が聞こえる。その何かから。


「何故こんなところに人間がいる?侵入者か」

「侵入?そんなつもりなかったんだが…」


惚けた事を言うなと更に恐ろしい形相。
厳ついなあと思いながら甘んじて受け入れる。


「始末しておくか。おい、スタースクリーム!」

「え?」

「お呼びでしょうか閣下。…人間?」


何かはスタースクリームを呼んだ。しかしやって来たのはレイの知るスタースクリームではない。
これはいったいどういう事かと唖然と見上げる。


「紛れ込んでおったわ。適当に処分しろ」

「は、」

「待った!」


処分の一言に思わず大声で待てをかける。胡乱げに首を動かし、何かとスタースクリームがレイを見た。


「何だ虫けら。命乞いか」

「いちいち煩わすなむ、」

「黙れスタスク」

「なっ!」


己の知るスタースクリームと同じようにあしらうと思ったよりショックを受けた顔をした。
言われ慣れていないのだろうか。
何かのほうと向き直ると不思議そうな目でレイを見ている。
まさかとは思いつつも可能性を考慮して尋ねた。


「ねえ銀色さん…もしかして、もしかしなくても破壊大帝を名乗るメガトロンさんだったり、しないよね?」


言ってしまった。
どきどきしながら口を開くのを待つ。


「何故知っている…?」


マジか。
レイは普段使わないような言葉を残してふらりと倒れ込んだ。
同姓同名処か二ツ名も同じか。





20110813

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