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「ジャガー、君は本当に可愛いね−。この優美な曲線…堪らないっ!」

にゃー

「ああっこの鳴き声はバズソーが来てくれたのね…しかもコンドルまで!サウンドウェーブは大丈夫なの?」

ピー

「もうあなたたち最高!もう幸せ過ぎる!」


サウンドウェーブがその場を見かけたのは偶然だった。
目の前でジャガー、コンドル、バズソーと戯れているのはトール。以前より事情があってデストロンと関わる人間の女だ。
そしてこのサウンドウェーブの恋人でもある。
紆余曲折な過程を経て手に入れた大切な想い人。
どういうことだろう。
サウンドウェーブは混乱し考えていた。
トールはあんな風に笑うのか?
恋人であるサウンドウェーブの見たことの無い表情を、カセットロンに見せているのだ。
サウンドウェーブは愕然とした。


「ジャガー、思いっきり抱きしめて良い?」

にゃーん


うだうだ悩む内にトールの胸に飛び込むジャガー。
サウンドウェーブの胸に嫉妬の情が湧き出る。


「あいたっ」

ぴぃ


油断していたトールの頭にバズソーのクチバシが当たる。
だが悲鳴程度ということは、手加減しているのだ。


「バズソー?なーにしちゃって!可愛い子にはちゅーしちゃうぞー?」


蕩けた顔でトールが言った瞬間サウンドウェーブは飛び出していた。
突然現れた主に驚愕してバズソーとコンドルが衝突し。ジャガーはトールの膝の上でひっくり返った。
そして勢いよく二匹が変形してサウンドウェーブの胸に収容された。


「ちょ、サウンドウェーブ!?…何かあったの?」

「…特ニソウイッタ用事ハナイ。トールニ会イニキタ」


憮然とした表情で返す。どうせ見えやしないが。
用が無ければ来てはいけないのかとサウンドウェーブは憤っている。


「へえ。…ねえ、もしかしなくてもさっきの見てた?」


薄い反応。我慢強いサウンドウェーブもがっかりした。
そしてちょっとした悪戯を思い付く。


「"サウンドウェーブ""にはちゅーしちゃうぞー"…トハ言ッテクレナイノカ?」


先ほどのトールの言葉切れ切れを合わせる。そして再生。
聞こえた瞬間トールは真っ赤になった、照れか怒りか判らないが。


「っ人の声を勝手に録るなそして合成しないでよ!」

「好キナ女ノ全テヲ保存シヨウトシテ何ガ悪イ」


どどん。効果音が聞こえた気がした。
開き直って見せるとトールは更に赤くなる。これは確実に照れていると一目で分かり少し満足。


「そ、そんな私の言葉くらい…別に、いつだって……聞けるじゃない…」

「?」

「…傍に、居るんだから」


一本取って上位に立ったつもりが思わぬデレ発言を聞いてしまった。
衝撃が身を駆け抜けて微動だにしないサウンドウェーブを訝しげにトールが見上げる。


「(報ワレタ…!)」

「で。結局なんなの?至福の時間を邪魔してさ」


一転して冷たい言葉が響く。トールの顔の赤みは既に引いていた。
暫く無言でいるとトールはため息をついて踵を返す。と、先ほど主に収容されなかったコンドルがトールに寄り添う。
何事かをコンドルに囁いているようだ。
頷く動作をするとコンドルが飛び上がり、サウンドウェーブに一直線に向かって行く。そして胸に収まり、再生を促した。


"ペットにも嫉妬しちゃう可愛い恋人には、ちゅうしちゃうぞ"

「ナ、コレハ、ツマリ…トール!」


サウンドウェーブらしくなく声を張り上げると去ってしまった恋人を追う。
行き先は彼女の家だ。
ドキドキ期待に揺れるスパークと共に空を飛ぶ。

胸の中ではコンドルがため息をついていた。
本当に世話の焼ける主達だ。





後書き
piro様に捧げる初代サウンドウェーブの甘夢でした!
駄文です。返品交換承ります。
心では感情豊かなサウンドウェーブに仕上がりました。なんだかんだで起伏が激しそうです><
申し訳ないことに長くなってしまいました…持ち帰りはpiro様のみ可能です!

20110823

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