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こんにちは。それともおはようございます?…まあそれは置いておきまして…自己紹介といきましょうか。人間関係を進展させる第一歩ですから。
私は単なるガソリンスタンドの補給係、トールです。
え?何でガソリンスタンドかって?
それはもう決まってるでしょう。車が好きだからです!
…いえ嘘じゃないけど嘘もありました。単純に言えばバイトです。
車好きは本当ですが、バイトです。
すいませんオチも何にも無くって…昔から取り敢えず言うだけな性格なのです勘弁して下さい。

現在進行形で私はスタンドにいます。
更に言えばラジオを聞きながら給油中です。相手はなんとサイバトロン!…冗談です。
サイバトロンが居るのは本当ですが…道路を走っています。
そしてそれに見とれる私。
ああ実に素敵なあのお方…


「コンボイさん…」


私大型が好きなんです。
だってカッコイイじゃないですか。
性格は…誠実な方としか知りません。だって悪いことしてないので関わる機会がありません。
あ、ラジオが調子悪いようですね。雑音混じってきました。


「…って、あれ?」


何だかこっちに向かって走って来ていませんか?
段々と近付くトラックに内心大興奮、外見知らんぷりな私。
彼は私の前で速度を緩めてその姿を変えました。
…え、マジで何の用?
あらいけない、口調が…。


「そこの君、」


話し掛けられっ!!!


「此処に行きたいんだ、が…道が分からなくなってしまった。教えてくれないか?」


そうきたか。
予想外な言葉に有頂天だった頭の熱が急激に醒めたわたくし。
ちっ…なんちゃって。


「勿論構いません。こうしてこの道を直進すれば…」


カーナビ搭載しろ。…あ、時代違いました。
ありがとうなんて行って爽やかに立ち去るコンボイさん。
しまった、今のを運命の出会いに持っていくべきだった!!


「それにしても、発電所なんて何しに行くのでしょう?」

「囮ダ」


背後から聞こえた二度目の変形音。
まったく…


「遂に貴方が見つかったのかとびびっちゃいましたよサウンドウェーブ」


あーあ、コンボイさんったら気付かず行ってしまいましたよ。
此処でもう少し私と話していたらうっかり屋の私だからポロッと零れたかもしれないのに。
と、何だか間抜けな音がして。
ブレインスキャンされちゃいました。


「トール。ソレハ困ル」

「でもそうなる前にサウンドウェーブがさりげなく手を貸してくれるんでしょう?」

「…気分ニヨル」

「とか言って。前ラチェットさんが声をかけてきたときサウンドウェーブさんは何したっけー?」

「サテ、何ヲシタカナ。俺ハソンナ記録ナイガ、トールハ覚エテイルノカ」

「…妨害してきましたねー」


以前デストロンとサイバトロンの争いに巻き込まれた時の話です。
戸惑っていた私に寄るラチェットさん。話し掛けられると思った瞬間サウンドウェーブが現れて挑発していったのです。
あの、自己保身の腕前も中々あるサウンドウェーブがですよ。
多分ラチェットさんは私に逃げるよう言おうとしただけだろうに…全く、可愛いったらありゃしないです。


「あ、お客様だ」


言葉と同時に例の音。
ラジカセになったようで、私はそれをそっと拾い上げてスタンドの上に置きました。無意識に笑みが零れます。


「ありがとう。…ゆっくりと休んでね」


メガトロンさんに頂いたせっかくの休みを私の傍で過ごしてくれる彼。
コンボイさんも良いけど、やっぱりサウンドウェーブが一番好きです。


「はい。レギュラー満タンですね?」


願わくば、サイバトロンにサウンドウェーブが見つかりませんように。





20110808

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