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トールが居なくなってからまだ数週間。
ショックウェーブは既に落ち着かなくなっていた。
しかし荒廃したサイバトロン星では彼の退屈を満たすに足り得る物が余りにも少なかった。
オートボットが攻めて来る事もあったが、ショックウェーブにとって雑魚も同然。ドリラーが相手をした。
考える時間はたっぷりと余り、それを全てトールへと注ぎ込む。
彼女と共にいた時間。
彼女の温もり。
彼女との共闘。
楽しい思い出だが、今のショックウェーブには逆効果。
トールに会いたいという思いを募らせる行動でしかなかった。
それでも記録を振り返ってしまうのは恋した男の定めか。
「嫌な予感がする」
突然ショックウェーブが呟いた。
たまたま近くに居たトランスフォーマーが
「一体何が!?」
と真に受けて叫ぶように尋ねる。
それに対してショックウェーブの受け答えは。
「誰かがトールに手を出しそうだ」
思わずトランスフォーマーは沈黙した。
そして脳内で再生。
数秒のタイムラグでうわあと言わんばかりに顔を歪ませ、挨拶をしてそそくさと消えてしまった。
が、気にせず考え込むショックウェーブ。
突然空を見上げると空を…宇宙にある地球辺りを睨みつけた。
「メガトロン…!」
その目には嫉妬しか映っていなかった。
一方地球では、サウンドウェーブが困惑していた。
その目線を辿るとメガトロンに行き着く。そしてトール。
それはある意味異様な光景だった。
メガトロンがトールに対してパワハラをしていたのだ。
だが大半はトールの手で、そして取り逃がした時はレーザービークがたたき落とす。
笑顔のトールがちょっと怖くなったサウンドウェーブはひっそりこっそりと気配を消す。
「指示は?」
「俺の介抱だ」
「やだメガトロン様ったら…嫌です」
「照れるな照れるな」
「ふふふ勘違いも程々になさって下さい」
「ほうトールがそんなに大胆だとは思わなかったぞ」
「ブレインサーキットが壊れているのでしょう?大人しく地べたに張り付いていて下さい」
メガトロンの体を治しているドクターは逃げることも許されず、只無心に働こうと努めた。
20110802
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