Main
First:≫Main:MemoLinkClap;re

レノックスがその光景を見つけたのはアイアンハイドとの共同訓練でかいた汗を流しに行ったシャワーの帰りだった。
通路の端(といっても幅の3分の1ほど占めているが)に巨体がある。
その黄色で塗られたボディは彼等の種族の中でも比較的小さいとはいえ彩りの点では際立つ。
バンブルビーの背に位置するドアがパタパタと揺れていた。


「Hey,girl!」「君はどうして」「頼みを聞いてくれない?」「こんなに尽くしたのに!」

「尽くしたっていうか……いやうん、まあそうだね」

「誤魔化さないでよ」「つれないお方ね」


まるでヒモが尽くしてくれた恋人を捨てる瞬間のようだ。もしくは貢ぎ捲った挙げ句の果てか。
面白そうな気配がするなぁと足を止め、そのまま眺めていると後ろに続いていた他の兵士達までもが停止し出す。
これでは上官として示しがつかないので後ろ髪引かれながらも尻を蹴飛ばし通過するに留めた。





数時間が経過し、次に見かけたのはオプティマスプライムであった。
その巨体を生かし(?)上の階のバルコニーに立つ何者かと話しているようだ。
その足元でしゃがみこみクスクス笑いを必死に抑えているジャズがレノックスに気付くと、ちょいちょいとその指先を動かしこちらに来いと促してくる。
クールを気取る副官が珍しく悪戯っ子めいた様子をさらけ出しているのを不思議に思いつつ促されるままに歩けば、彼はその手のうちの一本を立て、口元に当てる。
何ともまあ人間らしい仕草に吹き出してしまった。


「やあジャズ。一体どうしたって? 小さい体を更に小さくしちまってさ」

「はははこんにちはちょっと黙ろうかレノックス少佐さもなくば貴方の相棒に十円傷をつけて差し上げよう」


彼に体格の話を振るのはやめた方がいいとは勿論分かっていた。

ジャズが傍聴していた音声を流す。


「……だがそんな些細なことを気にしなくても良いんじゃないか?」

「全くもう、我が儘言わないで下さいよオプティマス」

「しかしルールを破る訳でもない。私は君にどうしても、」

「そーゆーのはもう暫くお待ち下さい」

「そーゆーではなくそういうだぞ」

「はいはいはい分かってますよ! もう行きますね」

「あっ」


オプティマスはその話し相手の背を追っているのかはたまた誰かと通信でも初めてのか、暫くその場を動かなかった。
聞こえた内容を不思議に思い、ジャズのバイザーと視線を合わせると、また笑いが込み上げてきたのかジャズはバイブレーションを起こしていた。










後書き
リハビリです。相変わらずタイトルのセンスはありませんが…。

160506

prev next


Bookmarknamechange

 
Since.2011/07/29
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -