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「どうした。何かあるなら言え」
オートボットの残骸が散らばる戦場に傷一つなくサウンドウェーブは立っていた。白いボディは敵の流したオイルに薄汚れ、彼の狂気を際立たせる。
「こんなに…する必要はなかったでしょう…!」
震える声で呟いたトールの言葉に、心底理解出来ないとサウンドウェーブは小首を傾げる。
「全く理解のし難い。トールが襲われた。俺が助けた。それだけだろう」
「…殺すだけで充分事足りた筈よ」
「つまらないだろう? それでは」
全く価値観の合わない言葉に、自分では…心酔するメガトロン以外ではそのズレを修正する事など不可能な事を悟り、くしゃりと顔を歪める。
滑るように近づいてきたサウンドウェーブが心底心配そうに、心底不思議そうに震えるトールの肩を抱き寄せて大丈夫かと優しい言葉にを掛けるが、それはより一層トールの悲しみを深めるだけだった。
「泣くな。泣くな、トール」
「ごめんね…気にしないで。今は側に居て…」
「トールが望むのならば」
背中に添えられたサウンドウェーブの手にかかっていたオートボットのエネルゴンが己の体へと伝わる感触にぞっとしながら縋りつく。
トールを撫でるこの手は、決してトール以外に優しく触れる事が無い。メガトロンは唯一例外だろうか。
ごめんね、ごめんねサウンドウェーブ。貴方の優しさを否定してしまって。
いいや、と首を振りサウンドウェーブは否定する。
何故彼女がそう謝るのか理解出来ないままに首を振る。
なにも問題ない。泣くな。
ああ問題ない。お前に降りかかる災いは全部俺が退けてやる。だから、この手を離す事だけは絶対に許さない。
この闇に飲まれるのが先か、音をあげて逃げ出すのが先か。
未来は誰にもわからない。
後書き
珍しく純粋に歪んでるし、愛がある!?
愛があることに驚く時点で私の趣味がおかしいとバレバレですね、はい。どちらにせよアウトな作品であることにはかわりがありませんけど←
121221
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