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「あはは! すっごい仏頂面!」


彼の姿を目にした途端、トールは腹を抱えた。
いつもは尊大な態度で人間を見下ろす男が笑える事態を見せているのだ。


「うるさい!」

「そんなちっこい姿で威嚇されても怖くないなあ、スタスク(笑)」

「くっ…何でこんな姿に」


今のスタースクリームの姿は玩具の様にちっぽけだった。
後でバリケードに理由を尋ねるとニヤニヤしながら教えてくれた。ラチェットの薬品の仕業らしい。
悔しそうな様子で地団駄を踏む彼はペットの様に可愛らしい。


「本当驚いたよ。質問に答えたらあのメガトロンがスタースクリームをプレゼントしてきたんだよ?笑うななんてとてもとても…」

「黙れって言ってるだろう!」

「かーわいいなー」


トールも女の子なので可愛いものが好きだ。(スタースクリームが可愛いというのには否定の言葉が上がったが)
蕩ける笑みを浮かべてスタースクリームを見つめる。


「この屈辱…覚えていろ!」

「忘れとくね。…ねぇスタースクリーム」

「…?」


トールは怪しい笑みを浮かべた。
スタースクリームは知らない。彼女がなかなかのくせ者だと言うことを。
オートボットは知っている。彼女の"良い考え"が厄介なことを。


「ちょっと部屋に良いものが有るんだ。特別に…どう?」

「特別に…部屋に、だと?ふ、フン!仕方ないから行ってやる」


スタースクリームは見事に奸計に掛かった。部屋、特別という言葉に何を想像したのか声が弾んでいる。
そしてそのまま部屋へ誘われた。勿論、トールに抱き上げて貰って。





「…で、特別なことって、何だ?」

「ふふ…ちょっと待ってて♪」


部屋に着くとスタースクリームは接待を受けた。何故か小さくなった今にピッタリサイズのコーヒーカップ。皿。スプーン。
人間のレイが使うのにも困難な大きさなんだが、とスタースクリームは出されたそれらを見遣る。しかも機械生命体である彼等に摂取出来るのだろうか?
適当にではなくきちんと見たとき彼は気が付いた。材質も違う。
不審に思ったとき、トールが手に荷物を抱え、戻ってきた。


「これこれ!サイズ合うかなー?」


取り出したるは人形の服。しかも女物がずらりと並んでいる。
なんだこれ。
無言の叫びを察知したトールは顔を上げてスタースクリームを見遣る。成る程、と彼女は頷いた。
破れたって良いものばっかりだから安心してね、という見当違いな返答にあんぐりと口を開け。


「三十六計逃げるに如かず!」

「逃がさない。諦めが肝心よ?」


トランスフォームして去ろうとした戦闘機を虫網で捕まえた。
ラチェット特製だ。容易には破れない。


「まずはリカちゃん人形から行こうか。ちょっと小さいかな」

「ちくしょう、メガトロンめぇぇ!!!」





110820〜120118

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