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深夜の事だ。
ライトも付けず自動車が走行している。その座席を覗くと大半のものは驚き恐怖に怯え、極一部は呆れて溜め息をつき、更に少ない自動車は喜んで隣を付いて走ることであろう。
当然のように速度を上げていく。
彼女はトール。オートボットに所属する。まあ今はオートボットもディセプティコンも一緒に暮らしているが。

暗い夜道を全速力でかっ飛ばしていた自動車の横に土が盛り上がる。
そしてその姿を現した。ミミズが機械化と巨大化したような容貌。ディセプティコンのショックウェーブの忠実なる配下、ドリラーだ。
巨体がトールの行き先を塞ごうと道路に乗り上げる。ここで交戦しようというのか。
トールはゆっくり停車する。
彼女は無用心にもトランスフォームし、ドリラーへと向かい合った。
すると主人でもない上未だ確執の残るオートボットであるトールに、猫のような仕草で顔を擦り寄せた。トールも優しい目で受け入れる。
一撫でするとトールに通信が入った。
話せないドリラーからだ。


「(トール、トール)」

「ドリラー?どうしたの?」


トールはこの時、かつて仲間達の言葉を教えた昔の自分に拍手を贈りたくなった。
知能が低いと言われるドリラーだが、ショックウェーブが育てた彼は身体のサイズも含め、格別のようだ。オートボットもディセプティコンも全員名前を覚えられた。
そして名前以外にも幾らか覚えた、とショックウェーブがサウンドウェーブに自慢していたのも聞いた。
サウンドウェーブは大層鬱陶しがってたが。


「(ショックウェーブ・異常・ドリラー・トール)」

「えっと…よく分からない事態がショックウェーブに起こってるってこと…だよね?」


だが流石のトールも完璧には理解出来ない。
こうだろうかと想像して聞くと、だいたいそんな感じだと勢いよく首(?)を上下させる。
すぐ行くと告げて変形し、先程以上のスピードでトールは走った。
ショックウェーブに一体何が起こったのか。
襲われたのか。
はたまたラチェットの魔の手が伸びてしまったのか。
どちらも恐ろしいことに変わりない。





後書き
続く。
哀れむ感情が有って怯える事が出来るのならドリラーに心はある!
ということでちょっと喋らせちゃいました。
でも説明を見るとスコルポノック以下の知能なのかな…同等かな…と考えてしまい。
結論→科学者ショックウェーブの育てた子だもの!

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