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その一瞬はメガトロンにとって途方もなく長い時間に思えた。そして緩やかに動く口を注視する。
「私も貴方が大切です」
「エリー…!」
良かった。上手くいったのだとメガトロンはエリーを抱きしめる。エリーも怖ず怖ずとだが確かに抱き返す。
感じる温かさと彼女の匂いで頭が一杯になった。
「ええ。皆で幸せになりましょう!」
「み、」
皆、だと?
聞こえた言葉にメガトロンは理解出来ないと問い返す。エリーはこう言った。
「メガトロンだけでなく他のディセプティコンの方々も私の大切な人達になっちゃいました」
「おい! 俺が言いたいのは、」
メガトロンが伝わらなかったと気付き訂正しようとしたらふと視線に気が付いた。
放っとけばよいもののその視線を辿ってしまったら、オプティマスがいる。
先程話していたときに浮かべていた菩薩の顔とは打って変わって悪鬼羅刹のような表情である。ぶつぶつと彼が漏らす言葉を拾ってしまった無駄に優秀な聴覚センサーが恨めしい。
「メガトロンめ私の可愛い可愛いエリーを抱きしめるとは汚れてしまうエリーが汚れてしまう…顔を、剥いでやる」
「うぐっ!?」
「どうしましたかメガトロン?」
トラウマの残る台詞を言われては堪らない。師に対して吐かれ、そして実行された発言だ。引き攣った表情になったメガトロンを彼の腕の中からエリーが見上げて心配する。
「心配されただと? エリーに心配されただと? もういいもう沢山だメタルのスクラップめ後で覚えておけよ」
「す、すまんがエリー…話は今度ゆっくり俺の部屋でしよう」
「部屋、って!?」
オプティマスの台詞に完敗しメガトロンは自身の言葉に顔を赤らめるエリーに気付かず速やかに退却した。
「メガトロン…」
エリーはあんなに自然に下心なく部屋へ誘われたのは初めてだった。
後書き
一旦終わり。
オプティマスが怖い…w
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