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メガトロンが談議を終え、廊下を進むと彼女はまた外を眺めていた。
あの日の様に眺める対象があると思いきや、そうでもないようだった。
そんなエリーの隣に並び、見渡す。空をうっすら雲が覆っている。曇天。


「オプティマスと、話した」


第一声に報告した。本人は知らないがエリーの後押しあってこそ、メガトロンはオプティマスと話したからだ。多少不純な動機であったとしても。


「メガトロン…貴方は、凄い」

「何故? 俺はただ話してきただけだというのに」

「敵同士だったのです。時間に任せ、なあなあにするのではなくキチンと話し合えた貴方は凄いんですよ」

「エリーが言うならそういうことにしといてやろう」

「それはどうも」


軽口を叩こうがやはりエリーの表情は変わらない。
それを残念に思いながらメガトロンはエリーと向かい合うように少し強引にエリーをメガトロンへと向かわせる。


「エリー、貴様の過去が知りたい」

「貴方の部下が知っていますよ」

「貴様の口から聞きたいと言っとるのだ馬鹿者」


仕方のない子。そういうように溜め息を吐くとエリーは語り出した。


「そうか」


話し終えてメガトロンはそう零しただけだった。
だが、その血のように赤い目は彼の感情を事細かに語る。
動揺。
自分の怒りをオプティマスにぶつけ、結果起こった戦争を思い出しているのだろう。
そしてエリーと同じような境遇のトランスフォーマーを作り出していたと気付いたのだろう。


「メガトロン」


エリーが彼の名を呼び歩みを止める。
そして向かい合い両手でメガトロンの頬に優しく壊れ物を扱うような繊細な手つきで触れた。


「後悔してはいけません」

「貴方の起こした戦争です。貴方が後悔したら駄目です」

「貴方はとっても強いディセプティコンを率いる、すっごく強いリーダーなのです」

「リーダーが後悔したら貴方の意志に賛同した者が馬鹿みたいじゃないですか」

「誇って下さい、ディセプティコンを」


そこまで言ってエリーは一度口を閉ざす。
そして首を振り、自嘲した。


「何を言ってるのか自分でもよく分からなくなっちゃいました。元々オートボットと一緒に戦っていた私が言う台詞ではありませんでしたね」

「ふん。俺もよくわからなくなったわ。だが…後悔は、しない」


それだけは確かだ。
こう言うとエリーがあの日のように笑った。艶やかに、美しく。
そうだ。俺はこの顔にやられてオプティマスと話し改めて和解しようと思ったのだ。そして今度こそ何の確執もない状態になりたかった。


「エリー」

「はい?」

「俺はお前を大切に思っている」


オプティマスと話し、得られた成果の一つ。それはエリーに対する感情。
穏やかにメガトロンは思いを伝えた。




後書き
中途半端。一番混乱してるのは管理人の頭ですよはい。
この連載、ディセプティコンが丸くなりすぎて不気味。メガトロン様が後悔なんて…。
メガトロン様ったらこんな壮大げに語ってますけど実際大半のトランスフォーマーは既に馴染んでましたよ!
まあリーダー同士が微妙な仲だと仲間もどうしたら良いのかわかんなくなっちゃってそうでしたが。

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