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一方ディセプティコンは朝食を食いっぱぐれたことに気付き、どうしたものかと食堂へフレンジーとレーザービークを偵察に出していた。


「大変だぜボス!」

「サウンドウェーブ、愉快な事になってたぜェ?」

「…? 報告しろ」

「あいよ!」


アイアンハイドとエリーの喧嘩、そしてその前後の出来事を詳細に伝える。
と、メガトロンが頷いた。


「オプティマスは本当に応じるのだな」

「そのようで」

「…エリーは何故、あんなに怒っていたのだろうか?」


ぽつりと呟くと、ディセプティコンが静まる。
誰も何も知らないようだった。


「本人に確認しては?」


ショックウェーブがそう言うと彼の主人は鷹揚に頷く。


「今は、オプティマスとの談議が先だ」





オートボットの総司令官とディセプティコンのリーダーは向かい合い、座っていた。


「オプティマス…こうして貴様と語り合う日が来ようとはな」

「私もお前がこんな話し合いを求めるとは考えていなかったから驚いたよ」

「相容れない者はそのまま…死ぬまで相容れない。そうともな」

「ああ」


ぎこちない会話もやがて慣れが生まれ、過去のように気安く話せるようになってゆく。かつて同じ師を仰ぎ、同じ夢を見ていたときのように。
リーダー同士としての会話だけでなく個人的な話も弾むようになった頃、ふとオプティマスが尋ねた。


「何故急に?」

「…昨日、エリーの横でディセプティコンの兵士とオートボットの若者が闘っているのを見た。戦闘が終わると親しげに話す。…昔の俺とお前の影を重ねてしまった」

「…メガトロン。オートボットの総司令官として頼む」

「何だ」

「共に、サイバトロン星を復興しよう」

「サイバトロン星を、か。あの輝かしい美しい時代のように」

「そうだ。私一人では出来ない。お前一人でも出来ない。なら二人力を合わせて、」

「ああ分かった! 分かったからそう鼻息粗く寄って来るでない!」

「ハハハ!」


オプティマスは久々に全ての悩みから解放され心の底から笑った。
これからの未来を想像して笑った。


「ところでメガトロン」

「何だオプティマス」

「エリーとは仲良くやってたようだな」

「な!?」

「安心した。君にも、大切な人が出来たようで」


からかうように笑うオプティマスに、顔を真っ赤にしたメガトロンがつかみ掛かる。
さあ、仲良く喧嘩の始まりだ。





後書き
これは夢小説に非ず。

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