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トランスフォーマーと人間が活動を始める朝。


「オ…オプティマス・プライム…話が、したいのだが」


開口一番にメガトロンが控え目に言った言葉に一同が凍りついた。
あのメガトロンが宿敵オプティマスに話し掛ける、だと?
オートボットだけでなくディセプティコン一同も呆然とメガトロンを凝視し、ブラックアウトなどは何を想像したか泣きながら駆け出した。


「あ、ああ…構わない」

「…うむ」


ぎこちないやり取りに居心地が悪くなりメガトロンが目を逸らす。視線の先には調度エリーが居た。
よくやった偉いと言うように頷く。
それを見て更に恥ずかしくなり、わざと苛立ったかのように足音を立てながらディセプティコンを率いて己の陣地に帰って行った。


「あいつ……」

「ええ。メガトロンだけでなくディセプティコンはご飯を食べずに行ってしまいましたね。困ったものです」

「そうじゃないだろー!?」

「おや、朝ご飯は大切ですよ大佐」


和やかな会話に、意識がオールスパークの元へ還っていたオートボットが動き出す。
中でも興奮したようにオプティマスへ話し掛けるアイアンハイドが目立っていた。


「オプティマス! 会話に応じるというのか!?」


アイアンハイドは今なお和解に難色を示している者の一人だった。


「当然だよアイアンハイド。彼からの要望だ。今まで私から逃げ回っていた、メガトロンからの」

「絶対何か企んでいるに違いない。悪いことは言わんから止せ」

「アイアンハイド。そう決め付けるのはどうかと思いますが」


激昂するアイアンハイドに意見を言う猛者が現れた。エリーだ。


「ディセプティコンの奴らを信用出来るものか」

「メガトロンは本気でオプティマスと向き合おうとしているのです。その勇気を台なしにしないで頂きたい」

「我々の事を知らん癖に分かったような口を聞くな!」

「もう決めたのだ」

「オプティマス…俺はどうなっても知らんからな!」


捨て台詞と共にアイアンハイドは歯を食いしばり踵を返す。
そこでエリーが彼の名を呼び、引き止めた。何だと乱暴に振り返るとエリーは食事を指で指している。


「勿体ないので食べて下さいよ」

「お、お前というやつは…」


レノックスが焦り、怒りに油を注すエリーを止めたがもう遅い。
怒りを込めた目で何も言わずにアイアンハイドは立ち去った。
だが怒っているのはアイアンハイドだけではない。


「何で最後引き止めたんだよ!」

「ご飯は、大切です」

「エリー!」

「戦などもう懲り懲りですよ。…ご馳走様でした」


エリーも、怒っていた。
食事を残した事を教えたにも関わらず放置したアイアンハイドに。





後書き
あれ? シリアス…だと?

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