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「はぁ…どうにかならぬものか…」


すっかり夕方になってしまい、とぼとぼと破壊大帝らしからぬ歩みで道なりに進む。
と、窓から訓練所を見つめる女がいた。エリー。
下を見ているため伏せ目がちで、夕日が彼女を照らす。その美しさにメガトロンはごくりと息を飲んだ。
不意にエリーがメガトロンを見た。


「おや…失礼しました」


そのまま踵を返すエリーに我に帰り慌てて腕を掴む。久々に近くへ寄った。
男ともトランスフォーマーとも違い柔らかく細いその腕。
怪訝そうにエリーがメガトロンを見上げる。


「べ、別に…まだ見ていればよい」

「…てっきり、私と一緒は嫌なのかと思っていましたが」

「そんなことはないぞ! 少し…いろいろあったのだ」

「そうですか」


良かった、と聞こえた気がした。
今度は二人で窓から外を見下ろす。そこには手合わせをするディセプティコンとオートボットがいた。
手合わせといえど、両者の表情は輝いており何かしらの絆が生まれたのだとメガトロンは悟る。


「最近暴れる相手が居なかったからな…」

「お互い力を持て余した者同士なのですよ。ディセプティコンの彼は力を誇示したく、オートボットの彼はディセプティコンがのさばっているのが気に入らない。初めはこれ、喧嘩だったんですよ」

「それは意外だな」

「本当ですよ?」

「分かっておるわ。…こんな光景も悪くない」

「争いは消えました。まだ確執はあるものの若者達はああやって絆を育んでいます」

「フッ…平和、か」


悪くないな。
もう一度繰り返すとはい、という返事が聞こえた。
今度、もっとオプティマスと話してみようとらしくもないことを考えた。





後書き
こんにちは! かぴばらです。
なんだか楽しくなってきましたよメガトロン様。

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