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オートボットと平和条約を結んだ今、我々ディセプティコンが闊歩していようとオートボット共は手を出せないし、腹の立つ相手が居ようとも破壊出来ないという何とも暮らし難い状況だ。
初めこそはこの俺が在るのを脅えた目で見ていた人間共も今ではすれ違い様に「よっメガトロン」などと気安く話し掛けて来るようになった。
虫けら風情が馴れ馴れしいと邪険にしていたが機嫌が良いときには「ああ」と返すようにまで馴染んでしまう。
更には純粋に生活するためだけ用にヒューマンモードを作り取り入れてしまったのだから驚きだ。
スタースクリームはなんだかんだ言いつつも気に入ったようだし、バリケードははなから乗り気だった。あのサウンドウェーブもショックウェーブもすっかりヒューマンモードで暮らすようになっていた。…かく言う俺も、だ。
「エリーよ」
「おや、メガトロンではありませんか。お久しぶりです」
そんな俺にとって格別な存在がいる。それがこの女エリーだ。
エリーはNEST隊員の一人である。どんな物騒な事を言おうと全て聞いてくれるこの女が見かけたら話し掛ける程度にお気に入りだった。
エリーは美しいがその表情は一切動かない鉄面皮の女である。
「聞いて欲しいのだがな」
「構いませんよ」
断られたのは一度だけだ。
それは、エリーが忙しい時に声をかけたとき。冷たい反応に暫く凍りつき、それ以降忙しさを伺っているから。
美人の凍り付くような視線は恐ろしいものだ。
「愚か者のスタースクリームがな…」
「はい」
この日も滔々と語る。
だが珍しく、愚痴以外も話してみた。
「そう…先日、オプティマスと……少し話したのだ。かつてセンチネルを師と仰いでいた頃のようにとまではいかんがったが」
「あら…それはよかったですね」
そう言って微かに口角を上げ、目を細めたエリーを見てスパークが騒ぐのを感じた。
なんだこれは。あつい。とまらない。
「あ、う…」
「どうかしましたかメガトロン?」
このかんじょうはなんなんだ。
これ以上失態を見せる訳にはいかない。そう思い俺は己の出せる最高速度で移動した。
…走った。
後書き
こんにちは、かぴばらです。
乙女メガ様視点でした。
続きを書きたいような別にいいような…。
書いた上に連載化。
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