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「恋愛、感情」

「答えろ。今この場でだ」

「メガトロン…」


最早平静になる隙など一瞬も与えない。さあさあと急かせば遂にエリーは目を伏せて応えた。


「貴方の居ない此処数日はとても寂しかったですよ…メガトロン。つまり、そういう事なのですね」


感極まって自分より随分と小さなエリーを包み込めばそっと遠慮がちに彼女も逞しい背中へ手を回す。
暫く経った後、少し体を離しどちらからともなく視線を絡め合わせそっと重ねるだけのキスをした。


「いやぁ、一時はどうなるかとヒヤヒヤしたぜ」

「エリーがあのようなくず鉄スクラップに奪われるとはおのれメガトロン貴様は何処まで卑怯なのだ…!?」

「オプティマスどう、どう!!」

「サム、それは馬を落ち着かせる時の台詞よ」

「申し訳ございません! 奴らを止めることは不可能でした…」


そんな感動の瞬間聞こえてきたのは野次馬+部下の声だ。気付いた瞬間メガトロンは突き飛ばす様にエリーを離して赤くなったり青くなったりしている顔を意識的に修正し、


「貴様等…見ておったのか…!!」


と怒りの咆哮を上げ、晴れて恋人同士になれたエリーを置き去りにオプティマス他野次馬を追い回す。向かい合って全力でメガトロンを破壊しかねない司令官を引きずりレノックス、サム等は死に物狂いで基地中を駆け回る。


「…恥ずかしがり屋ですね」

「まあ、貴様の寿命が終わるまで位なら我慢してやろう」


メガトロン達の消えた方角を見て一人ごちたエリーの背にそんな言葉を投げかけたのはサウンドウェーブだった。
上手く人間から逃れ野次馬に加わっていたようだが声を出さず控えていたらしい。気付かれなかった事実にちょっと寂しそうだ。
そんな彼の言葉にエリーはフンと鼻を鳴らし、


「そう簡単に死ぬと思ったら大間違いです」


と自信満々に告げる。一瞬呆気に取られたが気を持ち直し精々生に足掻け、とだけ言い残しサウンドウェーブも立ち去る。
エリーは再び喧騒の先へ目をやり、


「気付いてしまったからには離しませんよ、メガトロン。…覚悟しなさい」


そう言って口を緩め、目を細め。
可憐な花の様に笑った。





後書き
野次馬部下は適当な忠犬ブラックアウト。
一応ラストです。
最初勢いに任せて書いた乙女メガ様の短編から始まり、うだうだしつつも完結。
もっと描写を上手く書けるように精進します。
ここまでお付き合い下さりありがとうございました!

120616

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