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「さて、此処からは貴女が一人で考えるべきだ。間もなくメガトロン様がお出でになるだろうからあまり時間は無いだろうが…」


そう言いショックウェーブが空を仰ぎ、釣られてエリーも見上げれば白銀のボディを持つ、話の中心人物がビークルモードで飛んで来ている。
微かに視線を下げ、目の前に立つエリーを静かに見つめる。彼はこの人間の為にあんなにスピードを出して此処を目指しているのだと思うと少し不快であったがそれ以上に何故か嬉しかった。


「俺は見ていく」

「ええ…ありがとうございました」


礼儀を忘れない姿勢は変わらないが、その意識は既に白銀に奪われているようであり、ショックウェーブは呆れてしまう。
擦れ違い際に彼女の肩をポンと軽く叩いて彼は背後へ回った。





眼下に仁王立ちするエリーを見つけ、華麗に人へとトランスフォームしながら降り立つとエリーは微量ながら頬を上気させメガトロンを見ている。
挨拶もそこそこに、何だ、と問えば彼女は自覚していなかったようで何がですか等と返してきた。


「エリーよ聞け。俺は貴様を気に入っている!」


メガトロンは直球勝負に出た。他のことを考える時間を与えず勢いで押し切るつもりだ。


「それは光栄です。私もメガトロンを………気に入って、ますよ」


作戦は上手くいったようだ。目をぱちぱちとしばたたかせ若干のけ反り気味にエリーが答えるが、不明瞭な言葉で妥協する予定など更々ない。


「その沈黙の意味を尋ねたいのだ」

「………」

「本当は…俺など好いていないのではないか?」

「そ、」

「以前のお前ならば即答してくれたであろう。だが先日よりよそよそしくなってしまった貴様は曖昧に濁す。…嫌いになったか」

「そんな訳ないでしょう!」


ここまでの一連の流れにショックウェーブは内心舌を巻く。誘導尋問をするようになるとは、人間(ではないが)変わるものだ。そして踵を返す。
どうやらもう心配ないようだから。


「お前の思うがままに言うがいい。俺をどう思っているのか」


困惑し己を見上げる女に言い放つ。


「俺はエリー、お前を恋愛感情を持って好いている」


心は驚いてしまうほど、凪いでいた。





後書き
勢い勢い。

20120612

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