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「許さない」
「何故ですか」
「アレはオレが決着をつけねばならん」
「逃げられるというのに?」
勝った、とサウンドウェーブは確信した。逃げられることは事実でそれを捕まえられないこともまた事実なのだから。
だが想定外なことにメガトロンの意思は揺るがず不思議に思いながらその目を見返す。
「オレの獲物だ」
その言葉にサウンドウェーブは嘆息した。
面倒だ。
面倒なことに………先程の依頼を取り消す必要がある。
「反則です。そんな…昔のような顔をされるとは」
昔はいつでも見れた表情。今や平穏に囲まれ失われたと思っていた容貌。力強さを携えた破壊大帝の姿。
サウンドウェーブは大人しくショックウェーブに連絡を取った。
「頻繁になんだサウンドウェーブ?」
「さっき言っていた事だが撤回する」
そう言うと一瞬ショックウェーブの空気が凍り付いたようだった。サウンドウェーブは覗いてくるメガトロンを器用に避けながら繰り返す。
撤回だ。
「フム。それは困ったな」
ショックウェーブが困ったようにしている中微かに愉快を含んでいると気付いて問いただすと飄々と言葉を吐いた。
「もう聞いてしまった」
サウンドウェーブは空気が固まる瞬間に初めて居合わせた。
成る程、貴重な体験だ。
思わず現実逃避するのも無理はない。初めてこの優秀な同志を殴りたいとも感じた。
「仕事が早過ぎるにも程があるぞショックウェーブ!!」
「おやメガトロン様。ではこのまま何も言わないので是非自身でお尋ね下さい。それなら何も問題はありません」
かつてショックウェーブがあからさまにメガトロンへ反抗の態度を取ることがあっただろうか。いや、ない。
衝撃のあまりメガトロンが言葉に詰まると強敵にして二人と居ない優秀な部下が口元を緩めた。(とても僅かではあったが確かに緩んだ気がした。)
後書き
続く口喧嘩。
120409
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