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メガトロンは困惑していた。勿論、エリーの事で。
例えば仕事中声を掛ける。


「おいエリー、」

「すいませんレノックスに呼ばれているので」

例えば休憩中。


「エリー、」

「あ、もうこんな時間」


そう、避けられているのだ、徹底的に。最初の二日程は本当にそんな理由で話す時間が無いのだと思っていたがオプティマスがその場面を鼻で笑い、サウンドウェーブに喧嘩でもしたのかと聞かれ漸くエリーが避けているという事実に気がついた。
気付いてから話し掛け逃げられを繰り返す頻度は更に増え、今ではNESTの者なら誰もが知っている。
最早単なる意地で声を掛けているメガトロンだったがなかなか成果は上げられない。


「メガトロン様。いい加減人間を追い掛けるのを止めて仕事をしてください」

「黙れ! 俺は何故エリーが我々を避けるのか知らねばならん!」

「避けられてるのは貴方だけだ」

「それが何故か! ………知りたい、だけだ」


サウンドウェーブが見兼ねて諌めると激昂ののち酷く寂しそうに付け足した。
主をこんなにも悩ませるエリーが羨ましくも妬ましい。燻る嫉妬を腹の中に抱えながらサウンドウェーブはショックウェーブに通信を繋ぐ。
瞬時に出た男に用件を伝える。


「エリーを捕まえメガトロン様を悩ませる原因を調べろ」

「もう少し丁寧な頼み方があるだろうが」

「調べてくれ」

「ああ」


そこまで話してからサウンドウェーブは視線を上げた。己の腕を掴む主に。





後書き
主人公不在が多い連載です。

120408

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