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ナイトレイは語った。
己の過去を。
「私は気がついたら宇宙を漂う傭兵団で暮らしていた。そしてその集団の一人だった。ある時団がディセプティコンに雇われた」
「傭兵団なんてあるんだ…」
「戦争が始まる前から、戦うためだけに宇宙に飛び出した野蛮な連中だよ。戦うなんて嫌いだが生き残るにはそれ以外術は無い。まあそんな点で気が合ったのだろう」
「しかし傭兵と言うからには、」
「ああディセプティコンではない。ある時裏切ったらしいんだ。そして破壊大帝の怒りを買った我々は殲滅され、私も死ぬ筈だった。しかし口出しがあって、命は助かった」
「命は、か」
「ああ。それ以外はボロボロにされたよ。実をいえばボディもスパーク辺り以外全部すげ替えられているんだ。新しい体にはメガトロンに対する絶対的な忠誠がプログラミングされていた」
「強制されていたのか…」
「そんな中メガトロンの訃報だ。混乱の最中、頼っていた奴は私を地球へ送り出したんだ。これはサムに言ったように理由は分からない。あいつはメガトロンが破壊され、そしてプログラミングをした人物の居ない現在私がディセプティコンに在籍することがないと理解していた筈なんだ…これは生涯の謎になりそうだよ」
ナイトレイはそのトランスフォーマーを思い返し、微かに笑った。
普段は情の欠片もない奴だったが、私に対してかなり良くしてくれていた。
「そこからは暫く息を潜めてきて、オートボットと出会いサムと出会い、といった感じだ」
話が終わったからとトランスフォームする。
「ナイトレイ、君はディセプティコンを相当嫌っているようだ」
考え込んでいた様子のオプティマスが口を開く。
何を聞かれるのかとナイトレイは彼に向き合った。
「君は一体どんな扱いを受けてきたんだ?」
その質問に目を見開いた。
決まっているだろう裏切り者の末路は。
しかも女性型なんて…ああもうそういった方面の質問が来るとは思っていなかった。
オプティマスは己が質問した直後ナイトレイが硬直した事で漸く自らの失敗に気が付いた。
しかしその理由は分からない。
皮肉気に口元を歪めてナイトレイは質問に答えようとした。
「ナイトレイ!言いたくないなら言わなくってもいいんだ…もう辛い事は全部終わりだよ」
サムが語りかける。その気遣いにナイトレイは感謝した。
20110805
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