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「も、もしもしナイトレイ? 緊急事態なんだ。最優先で来てくれる!?」
途中、恋人を迎えに行ったサム・ウィトウィッキーから通信が入る。
彼はナイトレイの命の恩人だ、急行する以外選択肢は存在しない。
この時、仲間達に連絡を入れなかった事を悔やむ羽目になるとは考えもしていなかった。
「サム!一体何が…!?」
そこは異様な光景だった。
人間に囲まれたサムは泣きそうな表情で震えている。
何かを言っているようだが音声にはならず、不審に思い唇の動きから言葉を読んでみる。
「ごめん」
彼は何を謝っているのだろうか。
この、知らない人間ばかりのパーティーに呼んでしまった事だろうか。
サムが呼んだなら私は構いやしないのに。
ふと、彼のガールフレンドが居ないことに気付いた。
あんなに慌てて迎えに行ったのに何を遊んでいる?
もしかして私を足にしたかったのか?
最初から素直に頼んでおけば時間を消費せずに辿り着けたというのに。
ああ、どうやらサムの言葉が変わったようだ。
「逃げて」
様子がおかしい。
まさかこの取り囲んでいる人間から脅されているのかと考え威嚇して一掃してやるつもりでトランスフォームする。
その瞬間。
背後から金属音が聞こえた。
我々がトランスフォームするときのような、複雑な音。
そして笑い声。
陰鬱な気分にさせるソレはいつもナイトレイの耳元で囁き続けていたものだ。
「ご苦労だった、サム・ウィトウィッキー。任務に戻れ」
悪寒がした。
振り返らなくちゃいけないのに足が動かない。
今度は私が震える番だった。
「…サ、ム」
「ごめん本当ごめんこんなこと言い訳にならないけどでもカーリーの命が危なかったんだ! それにそいつはナイトレイの命は保証するって…」
何が何だか分からずサムに尋ねると、関を切ったように溢れ出す言葉の波に目眩がした。
つまり、サムはカーリーの命を助けるためにディセプティコンのスパイをさせられてしまったのか。
「保証? 当然だ。ナイトレイは俺の大切な大切な部下だからなァ?」
うっとりとした声でサウンドウェーブが告げる。鳥肌が立つほどの甘い響きの中には何が秘められているのかナイトレイは知っている。
これは私を乱す存在だ早急に逃げなければいやでも此処で逃げたらサムとカーリーが危うい待てそれ以前に私は、
「サム…恋人を助けるのだろう。さあお行き」
私は恐怖で動けない。
「!」
「まだカーリーは解放されていない。行け」
「ごめん…ごめん!!」
サムは私を置いて去った。
そう…それが正解だ。
私を振り返ることなく行け。
背後からは闇が迫っていた。
後書き
TF3のサムが命令を聞くしか無いって時に妄想。
これもまた酷い音波ですが私はそんな彼が大好きです。
140814
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