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「良い名前だね。ナイトレイはどうしてこの星に?」


身の上を語れるのももう無いだろう。
そう思ってナイトレイはサムに話を聞いて貰った。
暗い話をするが、おどけた仕草をしてみた。
…やはり似合わない。


「…逃げてきたんだ」

「逃げ…誰から?」

「ディセプティコン。欺瞞の民だ」

「ディセプティコンから!?」


冷静に聞いていたサムが急に顔を上げるものだから、ナイトレイもビックリして身を引く。
背後に注意していなかったため積んであるなにかにぶつかって大きな音が響き渡った。
これには堪らずサムとナイトレイは顔を合わせて笑ってしまった。
積み直しながらナイトレイは続けた。


「ああ…かつて強制されてそこに所属していたのだが、オールスパークが失われたと聞いてな」

「でも、それじゃあ地球じゃなくっても、」

「私が唯一頼りにしていた奴がオートボットを頼れと言ったんだ。…どんな意味が含まれているかは知らないが」


懐かしそうに、悲しそうに、でも思い出すだけで幸せになれるというようにナイトレイは空を仰いだ。
が、視界に映るのは蒼天。
かのサイバトロン星はもっと薄暗い色だったとナイトレイはうなだれる。


「…それって、ディセプティコン?」

「そうだ。私には彼しか居なかった…サム」

「なんだい?」


首を傾げてサムが見上げる。
淡々と語っていたのを止めて今度はナイトレイが質問してみることにする。
さっきから気になっていた。


「どうしてトランスフォーマーを知っているんだ?」


優しい顔のまま不思議そうに尋ねるとサムも優しく返そうとする。
もうナイトレイはサムから逃げる気も危害を加える気も無かった。


「それは、」


突然の轟音。


「サム!そいつは敵だ、逃げろ!」

「プライム!?」

「オプティマス!」





20110803

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