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サムは安心し始めた。危険度が下がってきたからだ。
周りを走っているのは明るく時には強くて頼りになる自らの可愛い相棒、詳しい実力は知らないがこれまでの戦場をくぐり抜けてきた冷静なナイトレイ。そして何よりオプティマスが深く信頼するオートボットの最も偉大な戦士センチネル・プライムだ。
もうすぐNEST本部に到着する。
着いてしまえばとっととケリがつくであろう。
その時反対車線を逆走し民間人に多大な被害を与えながら猛然とこちらを追い掛けて来るシボレー・サバーバン。
「ナイトレイ! 追い掛けてきてるよ!?」
「わかっている。もう少し冷静になってくれ」
「…う、ん」
そうだ。いつも冷静なナイトレイのように泰然自若であれ。
目を閉じ深呼吸を繰り返す。
落ち着いた気がして目を開くと、やっぱり叫んだ。
敵がUターンし、こちらの車線に移るだけではなくそのまま正面衝突しようと加速をしているのだ。それに対抗しオートボットの護衛集団もスピードを上げる。
スピードメーターの限界はとうに超えたようだ。
「仕掛けるぞ!」
「『オッケー』」
ナイトレイとバンブルビーの車体から武器が飛び出し撃ちまくる。敵は真っ正面から銃弾を浴びて蜂の巣となり、大破した。
「『やったね!』『流石お嬢様』」
「ああ。先を急ごう…と言ってる間にまた来たか」
背後からは最後の一体、ハチェットが近付いている。
一難去って一難。
後書き
運の無い方々。
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