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嘘をついたな、とオプティマスの怒鳴り声が聞こえたがナイトレイはどうする気も起きなかった。
一人落ち着ける空間で過去を思い返す。
ショックウェーブと出会ったのはサイバトロン星でだった。
当時サウンドウェーブだけでなくディセプティコン全員に恐怖を抱いていた頃だ。無理矢理忠誠を誓わされてもろくに働く筈ない。
結果、ナイトレイの役割もろくなものではなくなる。
事が終わった後、重い気分のまま外へ抜け出す。息が詰まりそうだった。
空を見上げれば船が見える。
平穏は何処にも無いのだ。
気丈な態度のナイトレイも誰も居ない空間では素直に心のままに慟哭した。
漸く落ち着いた時、赤い光が一つ、ナイトレイを見ている事に気がついた。それに身体を固くする。
激動が収まった為か、そいつはナイトレイに近寄ってきた。
うずくまって睨み据えると口を開いた。
「此処で何をしている?私の職場なのだが」
「ふん。空を見ていた…それだけだ」
「そうか」
意外な事にそいつはそこで会話を止めて仕事を始めた。
特に何も言わなかった事を問うと、支障ないと返される。無駄なことはやらない主義らしい。
「あのさ、名前を聞いていいか…?」
「ショックウェーブだ」
「ショックウェーブ…また、此処に来ても良い?」
「邪魔をしなければな」
冷淡に返されたが気に留めることでもない。寧ろ落ち着いた返答だと思った位だ。すっかり錆び付いたと思っていた表情が知らない間に笑みを作る。
不意なそれにショックウェーブは目を奪われた。
それから何かと理由をつけてナイトレイはその地を訪れた。ショックウェーブも受け入れる。寧ろ無いと思っていた心を動かす存在として、胸の内で静かに徐々に占拠していった。
「ショックウェーブが居なかったら私…」
「私もナイトレイが居なかったらこんな穏やかな気持ちを知ることはなかった」
お互い、落ち着く存在となっていく。
ショックウェーブは決してナイトレイに傷をつけず、ナイトレイはそんな彼を信頼している。
寄り添う二人を見たのは星だけだった。
後書き
出会いでした。
ナイトレイは唯一の存在としてショックウェーブに依存しきっていったのです。…趣味に溢れてるぜ!
20110820
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