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ナイトレイ達は人間に公表された。当時はイロイロと騒がれたがそんな人間など慣れたものだ。
ナイトレイの過去の痛みはゆっくりと、しかし確実に癒されていった。それは時間の効果でもあるし仲間のお陰でもある。徐々に軟化してゆく彼女をみな微笑ましげに見守っていた。
未だ背後に立たれるのは苦手だがビクリとするだけで、硬直することはなくなっている。

心優しい司令官はナイトレイを全面的に信頼していた。
時には弟が姉を慕うような甘えた様子も見せる。年齢など知らないためそれは合っているかどうか判らないが。
己の弱さをさらけ出し、相手の弱さを受け止める。そんな関係だった。

陽気な斥候もまたナイトレイを慕う様子だ。
無邪気な表情でナイトレイに駆け寄る姿が多数目撃されている。こちらは親子のようで。外から見ていると金属で出来ているのが信じられない位表情豊かである。


「ナイトレイ、出撃だ」


NESTの一員の言葉にナイトレイの目に緩やかな闘志が見え隠れする。かつて己を支配していた集団には怒りしか持たない。情などかけらもない。
だが時々どこか切なそうな悲痛な顔をしているのはナイトレイが優しいからだろうと隊員は思っている。その優しさがナイトレイを傷付けていく事も分かっている。だが誰も何も言わない。
それが彼女の覚悟だと考えているためだ。


「了解」


声と共に暗闇から光が射す。トラックの扉が開いたのだ。
ナイトレイは闘いに臨んだ。





20110815

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