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ここは何処なんだろう。
まだ街に来てそんなに経っていないし、散策もしていないためナイトレイにはまるで分からなかった。
ぐるりと見回すと廃棄された車、車、車。
…もしかして話したいというのは口実で、私をスクラップにしようとしているのか?
そんな悪い方向に思考が行く。じりじりした状況に焦燥してくる。
と、アイアンハイドが停止し、トランスフォームした。
ここが私の墓場になるのか。
振り返る彼の表情は割と普通だった。
「貴様は人間をどう思っている?」
「…え」
品定めするような視線に硬直。
そんなこと聞くために此処まで移動したのか。
溜め息をついて答える。
「大半の奴らは好きだ。一部…どうしても嫌なのはいるがな」
「一部?」
「例えば私のボディに落書きしようとする若者。それ以外にも他人を迫害して悦に入る奴ら」
ディセプティコンを思い出す。
何とも言えない顔でナイトレイを見るアイアンハイドだが、心の奥底では同意している。
「で、それがどうしたんだ?」
「いや…サムと仲良い様子だったからどうなんだろうと、思ってだな」
ごにょごにょと口を濁すアイアンハイドにどうやら他意は無いと分かる。だからこそ不思議だった。
「なんだ、その…ディセプティコンでの事は聞いた。あんな連中にされた仕打ちなんて犬に噛まれたと思えばいいさ」
話題が思いつかず地雷を踏んだ。しかしその気遣いは理解出来たのでナイトレイは笑う。そして理解出来ない単語を問う。
「犬とはなんだ?」
苦虫を噛んだ顔になるアイアンハイド。かつてウィトウィッキー家で会ったモージョを思い出したためだ。
そこからは地球と武器の話で静かに盛り上がった。
時折上がる笑い声にアイアンハイドも悪い気はしない。
コイツがオートボットに入るのももうすぐだろうなと予感した。
20110807
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