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幻想水滸伝×fate

「満たせ満たせ満たせ満たせ、」


暗い地下の中央で少女は唱える。己を勝利へと導いてくれる者を求めて、奪われてゆく力にも味わったこともない痛みにも耐え、只管に乞う。
灯りのない部屋に突如光が溢れ、そしてその男は遂に現れた。


「貴様か、俺を呼んだのは」

「あ…」


男の醸し出す雰囲気や出で立ちに圧倒され、震える膝を抑えて尚崩れ落ちそうな体を無様に思われていないだろうか。


「そ、そうよ…貴方は私の使い魔…。名を名乗りなさい!」

「ハッ貴様のような豚が俺に命ずるとはな! 良いだろう、あちらへの土産に持っていけ。俺の名は………」


少女はいつの間にか彼が剣を抜いていることに気が付いた。
そしてその抜き身の剣から、赤い雫が滴っている事も。


「ルカ・ブライトだ!!!」


聞いた事もない英霊の名に、やはり私じゃ駄目だったんだ、と考え。彼女は考える事の出来ないモノとなった。


「さて、都市同盟はどうしたのだったか…」


そしてルカは死の間際の記憶が無い事に気が付いた。

2012.10/03(18:19)

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