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一瞬の暗闇。全ての時が止まったかのような、そして体の浮遊感。
目を開けるとそこは、知らない場所だった。
「住宅地?…あっあの電柱の文字は、」
『並盛町』
分かると体の震えが止まらない。
「え、え、マジで?あり得ないあり得ない!」
私がトリップしてるなんて。
嘆いても仕方がない。落着いて、これからの事を考えよう。
そして一歩踏み出そうと右足を前に出す時、ふと左をなんとなく見てみると、
「…あ」
羽倉と書かれたポストが見えました。
(なっ成る程。このアパートが家か。…通り過ぎなくて良かった)
まぁまぁ外装のいい家だと思ったのは内緒だ。
中に入ると1LDKで部屋は元いた部屋と同じ物、配置となっていた。元から一人暮らしだったのでさして変わらない。
そしてクローゼットには並盛中の制服が一式入っていた。
しかも鏡で自分の姿を見ると一回りくらい幼くなっている。
「まさかもう一度中学校に通う日が来るなんて、ね。おかしな話しだよ」
さて、これからどうしようか。
20111008