鬱病ヤスグリ続き
2015/04/02 20:41
はやくも設定にムチャあるし、矛盾してるけどええやん、妄想吐き出してるだけや。きっと今までの話も全部並行世界なんや。繋がってるようで繋がってないんだ。



「ヤスタカ、資料。」

「どうぞ。」


大学病院の精神科、そこにグリーンとヤスタカは勤めていた。
仕事量は今までの3倍。ヤスタカは、卒業単位は取得していた…というか卒業後も大学に居座って勉強していたらしい。なんとも勤勉なことだ。一応、履修終了まではバイト身分だが、終われば正規雇用になる予定だ。というより、「医師免許あれば文句もないだろう。」という姉とヤスタカの決定だ。

ヤスタカが通院をストップしていたのは、どうやら勉強の為だったらしい。ちゃんと連絡するつもりが気付けば日が過ぎていたと。
直前に医師を目指していたとは知らず、きつい言葉を言ってしまった。少し、悪い気がしていたが、
「いやぁ、おかげで目が覚めましたよ。で、結果めでたく、です。」

笑って返され少しホッとしていた。
 …今度からは、軽率な発言は控えよう。


「…グリーンさん?」

ヤスタカが不思議そうに名前を呼んだのでそちらを見ると、ヤスタカはカルテを見ていた。しまった。

「…ああ、俺鬱病なの。」

「えっ」

特に隠していることではない。しかし、後ろめたさが無いわけでもない。言うときはやはり気まずい。

「全然気が付きませんでした。っていうか鬱病とかを診察する先生が鬱病って。」

「表立って言ってないからな。…お前だって鬱だろうが。」

「あっはっは。確かに。」

ヤスタカは、笑うと何でもなかったかのようにカルテの整理を再開した。

「でもそしたらなんで診察される側に回らないんです。」

…この世間話は続くのか。今なら俺がいるのに、とでも言いたげな顔だ。

「俺が理解してるからな。診察されるまでもない。」

それに、ここには俺よりよっぽど重度な患者が多く来る。彼らを見ていると、こうして働いて他人を診ていられる俺なんかまだ全然大丈夫だと思えるのだ。この考えこそ危険であるが、事実肩の荷が下りるような感覚と、今以上に重くなることはないのだから問題などない。

「グリーンさん!またレッドさん来たんですけど!いい加減ちゃんと回答したらどうなんです!」

…それよりも、ヤスタカが入ったことで今まで回せなかった仕事量を回せるようにしたものだから、ナースがひいひいいっているのをどうにかした方が良いようだ。
俺は全く問題がないのだが、少しぬるま湯に浸からせ過ぎたか。

「グリーン!いい加減教えろよ!」

思考を他所にやっていると問答無用で入ってきた男のわめき声が響いてきた。どうやら、今から帰りらしい。白衣は羽織っていない。

嫌みでも返してやろうか、なんて息巻く相手にのんきに考えていたら間に入る男がいた。

「こちらは勤務中なんです。私用は勤務時間外にして貰えませんか。」

なんだかヤスタカも珍しく壁をはっているが、レッドの機嫌も急降下した。…が都合が良い。

「いいぞー、そのまんま押さえとけヤスタカ。ついでに追い出せ。」

「ヤスタカ…?誰?」

おぉ、レッドの凶悪な視線に笑顔で対応出来てる奴久々に見た。というよりも、ヤスタカの笑顔も貼り付けたようでなんだこいつら仲悪いのか。
いや、でも誰って言ってる辺り、レッドはヤスタカを知らない。レッドはド直球人間だから、嫌味でもないだろう。

「グリーンさんも仰ってますから、お仕事終わりにまたお願いします。」

尚も笑顔を貼り付け、追い出しにかかり始めたヤスタカにレッドの凶悪さも増す。負けんなよ〜、と念じながら書類を書き進めていく。

「ぽっと出に邪魔される筋合いはない。こいつはそうやって今までも逃げてきたんだ。また逃げるんだ。」

…これは、ヤスタカに向けてるようで俺への挑発だな。慣れないことするからそんな安い仕上がりになんだよ。
ぎらぎらとした視線がヤスタカではなく、こちらに向いてるのがわかる。解るから、書類から顔をあげない。

「回答は既にしました。お前の望む回答じゃないと満足できないならレッド、諦めるんだな。」

「はぐらかしてるだけじゃないか!」

書類から目を離さずに答えると、信じられないとでも言いたげな、渾身のツッコミが入れられる。

「大声を出すなら、この棟から出ていって貰うしかないな。ここは敏感な患者が多い。解るよな、レッド『先生』?」

書類も一段落し、顔をあげるとやはり予想した通りの表情でこちらを見るレッドの姿。立ちはだかるヤスタカがいなければ机上のものが無事だったかどうか。

「おやおや、レッド先生はこの棟で大声を出すばかりか、どうやら頭に血が上っているようだ。冷静じゃないなら出直して貰うしかないな。それとも、診察が必要ですか?レッド『さん』。」

「…その言い方やめろ。」

部下に負けない営業スマイルで言えば、苛立ちをなんとか押し殺した声で一言だけ返される。

「とにかく、ヤスタカの言う通りまだ仕事してるから出直せ。」

「…また逃げんのか。」

「よくそんな安い挑発で俺が乗ると思うな、」


安い挑発を最後にレッドはヤスタカの手によって追い出されていった。


04/07 06:56
間ぶっ飛ばしです。




雨が降っていた。雨足は次第に強くなり、今は轟音と共に滝のような降り方になっている。歩く人は夜ということもあって殆どいない。

どうでもよかった。

もう何もかも、どうでもいい。
全て終わってしまえたら、

「グリーンさん!」

雨の叩きつける音に混じって名前を呼ぶ声がする。無視していると肩を思いきり掴まれた。眉間に皺を寄せ何か言っている。

ヤスタカ、

鬱病と、俺の前に現れて俺を好きだと言った男。

なあ、ヤスタカ、

お前は、俺と一緒に死んでくれるか?



08/05 03:03 短編(あれのパロ)
 総てが、繋がった。

「母さんは、ずっと一緒にいてくれたんだ…!」

 ずっと、母さんが自分にだけいない事が悔しかった。
そして、寂しかった。

 しかし、それは杞憂だった。

「この機械の意味も…、ATフィールドの意味も…」

 総てが繋がり、意味が解れば心は快晴となった。長く降り続いていた雨は止み、雨雲も、真実と言う晴れやかな太陽の下から消え去った。

 ずっと、守ってくれてたんだな。

「母さん!!」

 母さん…?
 戦わなければいけないのに、何故戦わなければいけないのか解らなくなって、先が霧がかったままだ。
 そんな中、通信機の向こうから晴れやかなグリーンの声が響く。
 グリーンは、自分の代わりに出撃した。今は弐号機の中で操縦しているから一人の筈。
 わからない、わからないよ。
 どうしてグリーンは、そうやって前に進み答えを見つけていけるんだ。周りの大人は何も本当の事を教えてくれないじゃないか。


 目の前に散乱する戦闘機の残骸が、翳る。

 この晴れやかな、雲一つない空で影が出来る理由など。

「!」

 見上げると、鳥のように頭上をぐるぐると回る天使が沢山いる。7、8、…9体。告死天使といった所か。
 天使は重々しい音を立て、周囲に次々と着地する。

「零号機…?完成してたのかよ!」

 ははっ、参ったな。さっきコードが抜けちまって、あと2分といくらかしか動けそうにねーのに。つまりは、

「1体20秒しか掛けられないってことじゃねーか!」

 まずは1体!
 着地したばかりの零号機目掛けて駆け抜け、頭を貫く。そのまま横の奴にぶつける。後ろから来た奴には踵落とし。
 3体目!
 またも、背中に迫る気配を感じ、ATフィールドを展開し、振り向く。

「、…ロンギヌスの槍か!?」

 それは白い巨体ではなく、槍へと姿を変えていた。駄目だ、ロンギヌスの槍はATフィールドを破る力がある。母さん…!

「ッああああああああぁぁぁああぁあ!!!!!!!!」

 不安な音を立てATフィールドを破られた瞬間、胸部に激痛が走った。

「っ、この…!」

 突き刺さった槍を引き抜き、後ろから来ていた零号機に突き刺す。そのまま押し通し、奥にいたもう1体も突き刺す。
 …あと3体!

 神経が過敏になり、これ以上は駄目だと訴えてくる。
 うるさい、うるさい、煩い!母さんが、母さんが見てくれてるのにこんなことでへばってられるかよ…!

「おらああぁぁぁっ!」

 無我夢中で戦い、最後の1体に止めを刺した。止めを刺すと同時に弐号機の活動も停止する。

 あがった息を抑えようとしていると、不意に不穏な気配が周囲に立ち込めた。
 活動停止させた筈の零号機が、ぐちゃぐちゃと音を立て、再生していく。
 まずい、こちらはバッテリーを使い果たしているのに。

 1体だけではない。次々と不細工な声をあげながら残りの奴等も再生していく。そして、一斉に飛び立った。
 奴等は来たときと同じように頭上を円を描きながら飛び、太陽の光を隠す。
 そして、ふわり、一瞬風に身を任せて



「…ぁぁあぁああぁあ!…ッあ゛っ、あぁぁあああぁぁぁああぁあ…!!!!!!!」

 目掛けて飛んできた奴等が、弐号機を貪り喰らう。
 グリーンの脳内は瞬時に思考を停止させ、ただただ痛覚と言うエマージェンシーコールを体に叩き込む。弐号機とは神経を繋げて操作しているせいで、グリーンは生きながら喰われる苦しみを味わう。脳を直接殴られるような痛みに、操縦レバーを何度も動かして抗うも、バッテリーの切れた弐号機は応答してくれない。大人しく、喰われる事を強要される。

「ち゛くしょ…、殺してやる…!」

 痛みに目を見開き、無理矢理に体を起こす。

「殺ひてやる…ッ、殺してやる…!!」

 母さんを、こんなにして…俺に、こんな思いをさせて…
 おまえら全員殺してやる…!

 強き憎悪に反応し、バッテリーは切れた筈の弐号機が咆哮をあげる。

 しかし、零号機は再び食事を再開し、完全に停止した弐号機はただ大人しく捕食されることを享受するのみだった。




殴り書きで、突然の某終わらないアニメパロ。過ったら嵌まり役だった。このシーン好きなんよね。
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