鬱病ヤスグリ
2015/02/03 22:46

院生ヤスタカがバイトに行った時に体調不良でミスなんぼかしてしまう。大学院でも困る。人は多くないのに、上の空なもんだから教授にも指摘され、「最近そんな調子だね。病院で一度診て貰いなさい。」って大学病院に紹介状かかれる。病院とか大学とか細かいことは全く解らんですけど、医師目指しててヤスタカは医学部出身で、そこの病院。
このあともバイトがあるから、はやく帰りたい。遅れると伝えて「しっかり診て貰いなさい」とは言われたが人手不足なバイト先に迷惑をかけてしまっている。勉強も最近うまくいってないからどうにかバイトも残業せずに早く帰って勉強したいからちゃっちゃと健康と言う言葉を頂きたい。
本当に健康なんだ。最近うまくいかないことが続いてて少し気分が鬱いでるだけなんだ。
って感じで、診療されるんだけど、医師が暫くヤスタカ見つめた後違うところに電話する。それで何か電話先と話した後「どうやら分野が違いそうなんでそっちに連絡しました。4棟のオーキド先生に連絡したので今から行ってきてください。」って言われる。健康なのにたらい回しか。たらい回しって診療でするかよ…って白目向きたくなりながら移動する。

移動したところは精神科って書かれてて、「あの医師には俺が精神に異常を来してる風に見えたのか」ってムッとしながら受け付け行くとすぐに通された。いかに適当に話をしてやろうか、こちとら精神科の方に進む予定だから困らせてやる…とか意地悪いこと考えてたら入った先にいたのは目鼻立ちの随分と整った少年。いや、少年じゃないんだろうが、恐らく実年齢より下に見える顔立ちなんだろう。かなり若く見える。19くらいに見える。そして絶対に俺より年下だ。年上には全く見えない。俺留年してないんだけどどういうことだ。

「あー…、海外の大学で飛び級しただけで医師免許はちゃんと有るから。」

唖然としてると、なぜ棒立ちになってるのか察したらしく暗に大丈夫だと説明される。まあ、そこにも驚きはしたが、合点が行くと今度は異常なまでに綺麗な顔立ちに目がいく。
座るよう促され、席につくもそこからも質問されている間も医師に目が釘付けだった。書類にペンを走らせるときに伏せられる瞼すら美しい。そして様になっていてカッコいい上に可愛げもある。

「軽度から中度の鬱病ですね。」

「へ。」

「鬱病。」

ぼうっとしてると診断結果を告げられる。なんと、鬱病。この俺が。まさかそんな。

「まあ、精神が軟弱だからなる病気とかってわけじゃないし。寧ろ責任を感じやすい…責任感強い人とかがなる病気だから。結果を強く気にしないでいーんじゃないですかね。」

適当そうな声音で軽いフォローが入る。しかし、結果なんてどうでもよかった。

「最近は鬱病の抗生剤とかもあって、治療はある程度なら出来る病気だけど経過は見たいから暫く通院して貰うけど。」

「いや、鬱病とかもうどうでもいいです。」

「は?」

「あなたが好きになりました。」

「は?」

ここから始まるヤスグリのラブストーリーとかいいつつレッドでばるし、今ワタルも入れたくなった。
気が向いたらまた続き書く。





「ナースさーん、コレセクハラで訴えれる?」

02/05 01:30
鬱病ヤスグリの続きちょっと。

「駄目よ、グリーン。患者さんにいい加減な言葉遣っちゃ。」

近くにいた…事務だろうか、お姉さんが意思に向かってたしなめる。そうか、オーキド・グリーンというのか。にしてもこちらのお姉さんもお美しい。歳は俺より少し下くらいだろうか。少し釣ってる猫目はキツい印象を受けそうなのに彼女の印象は春の陽射しのような柔らかさがある。この病院は顔で選んでるのか。

「姉ちゃん、だから院内で名前で呼ぶのやめてくれって…」

ああ、お姉さんか。

「通りでお美しい訳だ…。」

思わず口から溢れ出た言葉にお姉さんは少し驚いた風にするが、そのあと柔らかく笑んで「お茶をお出しするべきかしら?」と言ってお辞儀をしたあと去っていった。

「で、次はいつ来れば会えるんですか。明日でも良いんですか?」

「お前もう鬱病治ってね…?」

「そんなこと無いですよ。もう先生にお会い出来なくなるかと思うと鬱いじゃって何も手につきません。」

内心で絶対今「こいつめんどくせぇ」って思ったな。解るくらいには渋面になった医師に都合のつく日をつらつら述べていく。

「…あぁ、木曜の16時なら空いてるから。週一で来院できるならそこでお願いします。いつも空けとくんで。」

一応聞いてたらしく、あからさまに距離をとった敬語で返事が帰ってくる。

「意地で空けて来ます。」


02/28 17:48
鬱病ヤスグリさ、
院長が、オーキド名誉教授で、新人の医師が二人天才いて、それがレッドとグリーン。
同じ分野でライバルをしていた二人だったが、突如ジャンルを変えて精神・心療内科に進んだグリーン。急な方向転換にいきなり変われる筈もなくまた進みたい道でもなく、レッドは競いたいのに競えない不満を抱えてそのまま外科医になる。病院は同じだから暇を見つけてはグリーンになぜそんな行動に移ったか問い詰めに行くもにべにもなく返されいつも追い出されてしまう。
グリーンは、いつも祖父に誉められるのはレッドで、一番確実な方法を唱えているはずなのに祖父は見てくれない。祖父を超えたくて、祖父に見て欲しくて進んだ業界なのにグリーンがいたから僕も行くって感じのレッドばかり気にされてるのがどんどん悔しくなって苦しくなっていく。自分でも鬱いでいくのが解ったから、誰にも相談したくないしで自分で勉強して治療しようと心療内科(?)に手を出す。学んでいく内に嵌まって、留学先でもちょいちょいコマ取ってたらなんか心療内科でも医師できるくらいになってしまうし、そっちの方が苦しくなかったから心療内科の先生になる。
しかし、肝心の自分の治療は症状病名がいくら解った所でどうにもならない。苦しいまま。なのにレッドは放っておいてくれずしつこく来る。グリーンは、お前がいるからだとは言えずに適当に追い返す日々を続けていた。
ずっと心は鬱いだまま。

「鬱病とかもうどうでもいい、あなたが好きになりました。」

だから、こんな自分の治療もままならない自分を一目見て好きだと言った目の前の男は奇天烈そのものだった。

03/03 23:46
「そんなことねーよ。必要な事さえしとけば普通に医師免許なんて取れる。取れねぇ奴は無駄なことばっかして必要なことしてねぇんだよ。」

冷めた目で彼は言った。外科医も出来ると話は聞いていたからヤスタカは軽い気持ちで「全く違う分野で免許取るなんて大変ですよね。」と世間話で聞いたが、どうやらグリーンの地雷原に踏み込んでしまったらしい。言い捨てるような物言いに影を感じる。

…しかし、今は踏み込むべきではないのだろう。

「そんなもんですか〜。」

軽い相槌で流す。
それに、今の発言は医師を志していたヤスタカにとって顔に平手を食らったような気持ちにさせられた。
医師になるために必要な論文や、模試にどん詰まり、まさしく上手くいっていないその人間の一人なのだヤスタカは。

「それよりヤスタカ、だいぶ良くなってきたし隔週に延ばそう。診察。」

「えー、一週間更にグリーンさんにお会いできないんですか。」

「まあ頑張れ。」

「また適当に流して。男は狼なんですよ?」

「お前が襲おうとしてるのもな。」

「襲うなんて人聞きの悪い。」

間違いではないけれど。




人間、生きるには何かしら目的が必要だ。
目的に向かっていたが、目的を目指す気持ちを疑ってしまった。疑って物事を上手く運べなくなり、気持ちは悪循環を繰り返し、見失った。だから、ヤスタカは鬱病になった。

しかし、今はまた新しい目的が出来ていた。
病室に訪れる直前、以前お会いしたグリーンさんのお姉さまとまた会った。

『グリーンたら、人手足りないのに取り巻きなんて必要ないとか言うのよ?ヤスタカ君みたいな人がお仕事手伝ってくれたら嬉しいのだけど、ヤスタカ君みたいな人にそうそう会えないのよね。』

彼女がどこまで知っているのかは知らない。しかし、何か言いたげな瞳をしながら話した内容はヤスタカに生きる目標を与えた。

03/05 20:02
隔週でいいと言ったそばからヤスタカは隔週どころか通院しなくなった。

彼は案外本気で俺にアプローチをかけていたようだが、流していた。本気だと知っている上で適当に流しすぎたか。

仕方ないだろう…、興味がわかないのだ。

同性愛に嫌悪を抱いている訳ではない。嫌悪以前に恋愛に対して意識が向かない。女子にいくらか告白されたが、その都度付き合っては熱が上がらないまま別れた。向こうに別れを切り出されて、俺は了承する。その繰り返しだ。
流石に、これだけ興味がわかないのだから本業に専念しても、レッドには勝てない。いつも、レッドの先を行っては後ろで祖父に褒められるレッドが羨ましかった。

今だってそうだ。

なぜ自分は出来ないのか。
なぜ、レッドばかり褒められる。

なんで、

祖父は俺を見てくれない。


悔しさに俺は遂に道を変えた。誰にも言わずに。
レッドと研鑽しあう日々から目を背けたのだ。
祖父は文句を言わなかった。きっと文句を言うほど俺に執着していなかったのだろう。レッドからは相当問い詰められたが、全て聞き流し相手にしなかった。聞きたくもなかった。

あんな真っ直ぐな奴の、真っ直ぐ放たれる、言い返しようもない正論など。

なんで、

俺は真っ直ぐに生きられない。


ヤスタカもこんなひねくれた男見限ったのだろう。言えば、紹介状も書いたのに無断で通院をやめると言う事はつまり、

もう顔を合わせるような興味も無いってことだ。

俺はまた、欲しているくせにこうやって好意を向けてくれる相手を無下にして突き放すんだ。

「──…ダー、リーダー?」

「何か用?」

スリッパのペタペタという音と共に看護婦が現れる。「あれ、普通の場所にいた。」なんて失礼な事を言ってくるが、失礼だと言い返せば「だって患者いないとすぐどっか行くんですもん。」なんて返されるのだ。身に覚えしかない。
だから、淡々と冷静に外面を繕う。平静を装って中の薄汚いものはそっと隠す。


「今からすぐ予約出来るかって受付に電話が来てるんですけど、今仕事溜めてませんか。あ、ヤスタカさんからです。」

「何、アイツから…?仕事は溜めてねぇけど、何で。」

「診察みたいなんですけど、会ってから話すそうでーす。」

「あっ、おいサヨ。」

言うや否や、サヨは返事も聞かずにペタペタと受付へ戻ってしまう。

なんだ、何を今更。紹介状なんてわざわざ会ってから話すなど勿体つけることでもない。
パソコンを開き、紹介状をプリントアウトしようとファイルを開く。



「助かるわ、ヤスタカ君。」

「いえ、俺もしたいようにしただけですから。」

「これでグリーンもやりたい事に手を伸ばせるのね。」

「それは俺も嬉しいな。」

微かに廊下から聞こえてきた話し声に頭を抱える。話し声は今から来院すると言ったヤスタカと、姉だ。
しかも話の内容はどうも俺が軸らしい。
次第に明瞭になってくる笑い声に頭が痛くなってきた。


「入りますよ、」

明るい声音でヤスタカが入ってくる。

「…今日はどうしたんです。」

普通なら、鬱病患者が来たいときに来るのがいい。定期的になるだけこちらは対応しやすいが、患者の重荷になるなら来なくてもいいのだ。大体、来なくなるのはよくあること。だからヤスタカは「いい患者」と言えるのだが、好意的にされた分、こちらも甘えてしまっていた。
一息ついてから努めて冷静になり顔を向けて、目を丸くした。

ヤスタカの顔は見えず、代わりに視界に入った一枚の紙。

そこには医者になるために必要な合格通知書が一枚、ヤスタカによって掲げられていた。


「明日から俺、ここで働かせていただきます。」

紙の後ろからにっこりと顔を覗かせたヤスタカが言った。



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