03/22 07:53 かなり特殊設定レグリ

俺には好きな奴がいる。しかし、
住む世界が違った。

俺は、俺という個性が作り物という事を知っている。実は目の前の人物の中身が空ということも。
俺は目の前の人物を動かしている奴が好きだった。
この世界を買ってくれた、小さな少年

だけど俺の世界は小さくて、いつか少年はあまり会いに来てはくれなくなった。
世界がボロボロと崩れていくなか、少年が画面越しでキラキラとした瞳を浮かべていた

「わっまだ付いた!」

そんな声が不意に聞こえてきたのはしばらく経ってから。
一気に目が覚めて顔をあげたら顔立ちが変わったけれど、大好きな彼がいて。
まだ忘れないでいたことを喜び、もう俺の世界が彼を記憶できないことをひどく恨んだ。
ボロボロの世界では君を愛せないよ。

なんでだろうな
こんなに好きなのに

目が覚めた
彼が来たんだろうかと思ったが誰もいない。

「あ、猫」

どうすればいいのか解らず座り込んでいたら声が聞こえてくる。
聞き馴染んだ声にまさかと振り返れば少年が立っていた。

臨戦態勢、

だって嘘だろ
目の前にいるのは電子の代替品じゃなくて、正真正銘彼だった。

「そんなに構えるなよ…」

少しびっくりしたような声、本当にこの世界が、彼が目の前に。

にゃーお

泣いて見せると彼は笑顔で頭を撫でてくれた。
優しい笑顔

「俺、レッドってんだー。」

よろしくな、猫。


彼にとっては気まぐれな自己紹介でも
俺には特別な意味を持っていた。

よろしくな、レッド。




このあとグリーンってレッドは名付けるんだろ


03/22 23:08 スペレグリ短編

レッドはグリーンと本当はきょうデートするつもりでジムへきたのだが、事務室へ入った途端口を半開きにしてしまった。そして今はおとなしく応接のソファに腰掛けてグリーンの作業を見守っていた。

大変そうだな、と思う。

どうも、グリーンは普段は仕事をためないが、予定では難なく本日中に終わっていたのだが、緊急の書類が来たらしい。かなり、イライラしてるようだった。それでもさらさらと動く手。
俺が来たときよりも書類の量が減っているの目に見えて解った。

ピカの頭を撫でながらウトウトしていたらしい。気づけば窓から西日が差し込み、気持ちよさそうに眠るピカをオレンジに彩っていた。まるで色違いだなあと思ってから人の気配がしないことに気づく。
顔をあげればグリーンの姿がない。
ついでに言うと書類も跡形もないので、今は多分提出かなんかで出ているのかな。
いつの間にか掛かっていたブランケットはまだ十分に自分の温度も吸収せずに冷たかった。そこから推測するにさっき出て行ったのかと思うと、帰ってくるのは遅いという推測に一瞬で辿り着いてしまって寒さが身にしみた。
あともう少しはやく起きてたらグリーンについていけたのになあ…、まあグリーンの出て行く気配で目が覚めたのかもしれないけど。

一人寂しくため息をついておとなしく待つことにした。今からいって入れ違いになるのも嫌だし、
ピカの毛並みに指をうずめていると俺の後ろの扉が開く。ジムトレーナーだろうか。別に誰だからどうというわけでもないけど、なんとなしに振り返ってみた。

「起きたのか。」

「あれっグリーン!?」

なんだ、といって向かいのソファに腰掛ける。
少しだけこの距離感がもどかしかった。だって、俺たちせっかく男同士で想いが通じ合ってんのに、
確かにグリーンの顔が真正面にあるのはいいんだけどさ、

「書類は?」

「さっき終わってトレーナーに後は任せてきたところだ。」

「い、いいのかよ?」

「…せっかくお前が遊びに来てくれたんだ。昼は書類で時間をつぶしてしまったからな。」

引渡しくらい、トレーナーに任せても問題ないさ、話をきいた途端柔らかく笑うグリーンがいつも以上に、たまらなく愛おしいと思った。
普段のグリーンなら絶対にそんなことしない、
最後まで自分の仕事はきっちりこなす。
だけど今は俺との時間を作るためにそういうことをしてくれて。
ああ、俺いますっげえ幸せだ。
嬉しくなって、グリーンに笑いかけるとグリーンも少しだけはにかんでくれた。

「グリーン、」

おいで、と俺の横のあいてる部分を手でぽんぽんと叩く。
すると、少しだけ間をおいた後グリーンは自分の横へと腰掛けてくれた。しかも体が密着するような距離で。

「へへっ、ありがとうなグリーン。大好き、愛してるよ」

「…俺もだ。」

頭を引き寄せて唇が触れるだけのキスをするとグリーンもあわせてくれる。
だけど、俺がちょっとわがままだっていうのは解ってるんだけど、返してくれたのは十分嬉しいんだけど、それでも少し物足りなかった。

「ねえ、グリーン」

「何だ?」

「レッドのこと好きって、言って?」

甘えるような声でそういうとグリーンはあきれたようにため息を吐き、
大切なものをみるような瞳で俺を見てくれた。

「レッド、レッドのこと好きだ。」

ああ、もう本当にグリーンからのこの言葉だけで凄いしあわせになれた。
それだけでしあわせで、ただでさえ密着していたのに俺は更にグリーンを抱きしめる。
そろそろ「苦しい」と怒られそうだなと思ったときに、案の定グリーンから名前を呼ばれ、そろそろ離してやろうかと思ったら緩めた腕を掴まれた。

「レッド、世界で一番愛してる。」

思いがけないグリーンからの告白に俺が固まった。
普段から俺でもかっこいいしクールだし、少し冷たく見えるようなグリーン、でも実際は優しいっていうのは知ってるけれど、
まさかグリーンから告白してもらえるなんて思ってなかった。

「ありがとうグリーン、俺もグリーンが一番大好きで愛してるぜ!」

一度緩めた腕をもう一度背中に回し、今度は触れるだけでは終わらせないキスをする。
下からいつの間にか目を覚ましていたピカが「ちゃー」といいながら目を両手で覆いながら鳴いてるのが聞こえた。
ごめんな、こんなバカップルなご主人で。
そう思いながらも抱擁もキスもやめることはなかった。


04/02 23:04

花見
「たまにはこういうのもいいよなー!」

グリーンが意気揚々とピクニックシートを敷きながら話しかけてきた。確かにそうだと返事をする。
週末デートするぞ、そういって不機嫌そう、尚且問答無用で予定を取り決めた我らがトキワジムリーダーをみやる。
誰だって恋人に不機嫌にされちゃたまったもんじゃないだろ。
しかも今年は寒暖の差が激しくて週明けは開花の兆しもなかった。だから俺に予定をぶちこんできた割りにグリーンはずっと心配していて、あまり機嫌はよくなかった。しかも天気予報もよろしくなかったらしい。しかし、今桜は満開で天気は実に冴え渡る快晴。引きこもりからすれば爽やかすぎてイライラする程に。
敷かれたシートの四隅に荷物を錘としておき、一息ついた。周りにも花見にやってきている輩は大勢いた。

「でもなんでいきなり、」

花見なんか。
でかかった言葉は喉元で抑え込んだ。やっと晴れ晴れとした笑顔を拝めたというのに崩したくはなかった。それでも意外だったのだ。俺達はもともと独りでいるのが好きなタチなのに人の多い花見にグリーン自ら誘ってくるなんて思いもしなかった。するとグリーンはほんのりと頬を桜にする。

「だって最近のんびり会えなかったろ…」

目の前の頬を人差し指でかくグリーンがたまらなく愛くるしい。最近確かにグリーンは忙しくて会えなかった。そして今週も今日を除けば目眩が起きるハードスケジュール。それでもグリーンはなんとかもぎ取ったんだろう休日を俺にあててくれた。その事実がたまらなく嬉しい。

「そうだね、ありがとう」

俺と一緒にいてくれること、むりやり時間をつくってくれたこと、色んな意味を含めてグリーンに微笑むと視線を泳がせたあと「反則だろ…」と言ってついに反らされてしまった。
顔をそむけたグリーンの髪が風にそよぐ。暖かい春の木漏れ日が心地よかった。

◆◇◆◇◆◇◆

「掃除しろ」
「叩きのめせ」
「買い出し行ってこい」

全てがとんだ命令口調だが、なぜか成り立つ。いや、成り立たせているのは俺だけど。
彼には王座に座していてほしいと言う俺の願望なのか、主従の関係はいつの間にか形成され成り立っていた。
主に俺と二人きりの時のリーダーの俺への態度だ。他のトレーナーがいると会話すら業務的且つ短絡的なことしかしない。

「お前足舐めろっていったらマジでしそうだよな」

「ご希望なんですか?」

鼻で笑われる。ジムの備品は前任が残していったものを使っているが、今リーダーの座っている椅子はもとからリーダーのために置かれたようだった。王者のような佇まいは全てを圧倒する。鼻で笑うと言う単純な行動にさえ、扇情的な色香を滲ませ、荘厳さで更に魅了される。

「なに、舐めたいの?変態」

見下すような視線にゾクリとくる。それが恐怖などの感情からでないあたり非常に残念だ。だが後悔はない。
リーダーは組んだ足の肌を晒す。俺はその前に跪いた。

「せいぜい、気持ちよくしろよ?変態。」

やけに楽しそうに呟くリーダーも十分変態ですよと、内心呟きながら俺はリーダーの足をとった。

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