2012/02/27 21:26

ジムを閉める。
家に帰って人間生活を営み、
自室に上がる。

ドッと疲れが押し寄せてきた。

実際の俺は、あんなに高飛車でもナルシシズムに溺れてもいない。ちっぽけな虚勢にしがみつく小心者のガキだ。わかってる。
だが、外面を取り繕って生きてきたせいで、今はもう本当の自分をさらけ出せない。
だって、本当の俺を拒否されたら胸にナイフを何本も刺されるみたいだろ。きっと俺はそれだけで呼吸が出来なくなる。
だから、全ての人に笑顔を振り撒いてきた。
もう、全身全霊をかけることなんてない。あの時の俺はポケモンも見れなくなってたから。
嫌いになんてなれないのに、見ただけで全てを思い出してしまって何も考えられなくなる。そのジレンマがどうしようもなく憎かった。
いっそのことポケモンを止めれたらあんな思いもしなかったのに、それすらも出来ない小心者。

自己嫌悪の渦が胸の中でその他の感情すらも巻き込んで渦巻く。
吐き気と一緒に感情の渦も水かさを増してやってきた。
そうして収まりきらなかった感情は熱い雫となって零れ落ちた。

流れ出した感情は自分に収まる分も溢れさせて俺からサヨウナラしていった。



これでまた生きていける。



感情の姿


03/05 13:22

正直に頭の中で思い描く単語は、
「愛情が欲しい」
という単語で臭い言い方をすれば愛に飢えている。もっと言ってしまえば相手に依存しきって一体になってしまいたいと思うくらいには愛されたくて甘えたい。
ただし、それが口から出ていったりすることはない。行動するなんて論外。

だって俺は色恋沙汰に不向きで、
素直な言葉にすることも出来ない。

だから俺は恋愛なんてすべきじゃない。

そう結論づけたもののそれでも一方的に好きになんのは良いんじゃねぇかと言い訳をしたのはよく引き合いに出される、例のごとくのお隣さんだった。
遠くから見てるだけでいい。アイツが笑ってくれるならそれでいい。
はなから叶いっこないぶんそう思うのは簡単というより寧ろ当然の事で、隣が俺じゃなくてもそこに俺がいなくても、

レッドが幸せならそれでよかった。

なのに、なんだ、この状況は。
耳を塞ぎたくなる、けど音は内から鳴り響くようで、頭の中がぐわんぐわんと揺れる。揺れる。

「ゴメン、俺グリーンが好きなんだ。キモいだろうけど好きになってたんだ。」

誰が誰を好きだって?俺って誰だよ、言ったのは目の前の人物、他人だと言いようもない他に人がいない中目の前にいるのは間違いない、レッドで。
レッドが俺を好き?
好きってなんだよこんな簡単に手に入ることなのかよただ笑っていて欲しかっただけなのに俺がなんでレッドの幸せにする歯車に組み込まれてんだ大したことしてねえだろ。
思考がゴウゴウと音をたてて渦を巻いている。
レッドが俺の顔をみてたのにいきなりギョッとした。
そうして頬に流れる熱いのに冷たい筋をようやく認識する。
あ、俺ないてんだ。
コレは間違いなく嬉し涙だ。

レッドの中に俺がいる。それだけで充分に嬉しい。
だから、もう、コレ以上は望んじゃいけない。

「ありがと、なっ!レッ、ド」

嗚咽が漏れる。

「でも、駄目なんだ。俺にっ恋愛、は、向いてないっ。」

そういって走り去った。

置いてかれたレッドはグリーンの去っていった道を見ながら静かな憤りと呆れを感じていた。
フラれると思って告白したのに明白な答えもなく、諦めたようなおかしなことを彼は言っていった。向き不向きも恋愛にあるかよ、


「またグリーンは一人で抱え込みすぎなんだよ」

そんな彼が好きだから届かない背中に向かって言葉を吐くんだけど







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