2011/11/17 08:29〜11/17 08:45

パパ→グリーン的な
ナナミ視点?


グリーンは土曜日の午前のみの授業のときはいつも走って帰ってきていた。
友達と遊ぶ約束をしたというのが急ぐ理由であれば、どれだけ良かったか。
グリーンは怯えていたのだ。

「遅いっ何してたんだ!!!!」

怒声と陶器の割れる音がのどかな土曜の昼に響く。
台所にいた私は時間を把握しておらず、気付けなかった。
急いで居間へ行けば弟が殴られる姿が目に入った。
そして陶器の破片が散らばる床に体を打ち付ける。血が出ないわけがない。
急いで駆け寄れば額に陶器を投げつけられたのか痛々しく鬱血しており、破片によって身体中には切り傷が一瞬にしてついていた。

「ナナミ、どきなさい」

グリーンを抱えあげると頭上から声が降ってくる。

「お断りします。遅れただけで遣りすぎではありませんか。」

睨み付けるように言い返せば、父のこめかみがピクリと動く。反抗すれば私だって殴られる。
だが、弟の方が圧倒的に多かった。

「コイツのせいで飯が冷めてまずくなった。作ったお前に失礼だろう」

ぎゅっと弟を抱き込む。

「退けといっているのが解らないのか!!!」

怒鳴れば私が退けるとでも思っているのか。
こんなに傷ついた弟を暴力の下に晒すとでも思っているのか。
見下す父の怒りにまみれた瞳を真っ直ぐ見つめ返す。

とん

弟が私の肩を押し、私と父の間に立つ。

「すみません、でした。」

小さく震える声が父に向かって放たれる。
ああ、何に対して謝っているのか、謝るべきことなどないというのに。

「その作った私が良いと言ってるんです。許してください。」

ああ、私もなぜ許しを請うのか。
父は軽蔑するような視線をグリーンに向けるとゆっくりと自身の食事に戻っていった。

「ね、ちゃん。ありが、とう」



小さく呟いた弟は顔を向けてはくれなかった。



◆◇◆

僕の横で小さく丸まって寝るグリーンは今でこそ笑ってはくれるが、昔はそうではなかった。
彼はトラウマを植え付けられ、今でも表情を曇らせる。
僕だって昔の事を思い出すだけで背筋が粟立つ。

隣家から怒声が響いてくるのなんていつものことで、母さんもよく心配していた。
幼い頃の僕には何があっているかなんて想像もつかないで怖いなぁ程度だった。

ある日、あまりにも怒声が長く続いた日、思い返せば割れる音や泣き叫ぶ女の子の声もしていたかもしれない。
インターホンがなった。

ソレに出た母が戻ってきたときには毛布に丸まったグリーンが抱えられていて、

ソファにグリーンを寝かせて母は電話をかけだす。
ついて入ってきたナナミねぇちゃんは泣いてグリーンの名前を何度も呼んでいる。

一体どうしたというのか。流石に状況に疎かった僕でも異様な雰囲気を感じ取った。


覗き込んだグリーンは濡れていて、唇は青い。
どうしたんだ、

観察して気づいたことは呼吸の音が聞こえなかったことだ。


11/19 15:04

せかいはこわい

小さい頃、訳がわからなかったじいさんが見ている紙に散らばる活字を理解するようになった。
ソレを新聞と呼ぶことは随分昔から知っていたが、内容を見ようと思ったのはつい最近。

表を見れば明るい話見たこともない誰かが死んだ話
国内のことが多いし、正直当たり障りのないことばかり。
誰がどこに訪問しようが俺は知らない。

しかし、紙をめくれば世界は変わる
他国の兵器のはなし
いろんな限界が来ているはなし
広告に紛れて怖いはなしが沢山潜んでいる

世界は俺の知らないところで進んでいっていることを知った
初めてせかいはこわいと思った。

11/19 22:22

最悪だ、家に急いで知り合いに会わないように帰ったと言うのに、
会いたくない人物にあってしまった。

「グリーン!」

ああ、やめてくれ、

「家寄ったんだけど、ナナミさんもいないの?」

やめてくれ、もうちょっとで家だったのに。
俺は独りにはなりたくないんだ。
腕を掴まれたにも関わらず顔をあげない自分を不審に思ったらしい。
顔を覗き込まれる。
俺は視線を会わせることが出来ない。

「どうしたの、」

「誰、だよ……お前。」

やめてくれ、もうお前には会えなくなるんだ。わらってくれ。
さっさと俺の前から消えてどこかでわらっていてくれ。
生きてるって証を残して消えてくれ。

「グリーン?」

無理矢理合わせられた顔を見てしまうと溢れ出す涙。

もう、やめてくれ。

レッドの言葉が頭に入らない。ああ、声がわからないなんて。

「俺に関わるな!」

叫んで腕を振り払い走る。
ああ、サヨウナラ、サヨウナラ、レッド。俺の大好きなレッド。
急いで家に飛び込み、鍵を閉め座り込む。

リビングに行っても温かく迎えてくれる姉はいない。唐突に消えてしまった。
俺が帰りを待つ帰って来る祖父もいない。唐突に消えてしまったから。

ジムに行ってもジムトレーナーは出迎えてくれない。消えてしまったから。

そう、俺が関わる人物は全員消えてしまった。
きっといつからかいた俺のストーカーのせいだ。
なんで、こんなことになってしまったんだ。

しばらくするとインターホンがなる。
出る気はないが、覗き穴をのぞく、姿はない。
なんなんだ、





下に何かある。なんだと思ってドアを開けた。

そこにはまだ温かいであろう、生気を残したレッドの、首。
ああ、レッドの首だ。
なんだ、レッドは俺の前からじゃなくて世界の中から消えちゃったんだな。他のみんなもそうなのかな。みんなは首も残さないで消えちゃったから解んないや。あはは、全員俺のせいで消えちゃったんだなあははははぜーんぶ俺のせいだ。サヨウナラ、サヨウナラ、大好きなみんな。あはははははは
あれ、誰だよお前、はは、お前も消えたいの?何?その手、俺を消そうってのああそうか俺が消えればいいのか俺がみんなの前から消えてしまえばいいのかあはははははは何で気づかなかったんだろう消えちゃったみんな俺がバカなせいでゴメンなあはははははは
なあ早く連れ去ってくれよ。

狂った俺はみんなの前から消えました、めでたしめでたし、


11/24 21:39 心ってどこにしまわれてるの?

ねえねえ
君の肋骨を割り開いて
中身を覗いても
君の心とよばれるものが見当たらないんだ
ねえねえ
君の心はどこにあるの?
中をまさぐっても温かいだけ
心はどこにもないんだ
イジワルしないで教えてよ
そんなに僕が嫌いなの?

ねえねえ グリーン

ああ、
ついに返事もしてくれないね




愛は一方通行だったね




12/11 02:29

言葉っていうのはbeautifulじゃないですか
けど、そのぶん重いんです。
だから、あまり信じたくないですね

後輩は言った
なんとなく心当たりはある。

後輩は更に続ける

だから、いつも本心の言葉を使ってくれる彼女は嫌いにはなれませんね

困ったように笑う彼の言葉もまた、本心からのもので

俺は息が詰まりそうだった。

なんで本心で当たれるのか俺には解らない、
本心を否定されることほど怖いことはないじゃないか

だから臆病で卑怯な俺は
そうだな、
と返した。
ああ、知ってるさ

お前の表情が曇ることくらい


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